企業から大学に来る研究者

本日は情報通信特別講義の2日目。昨年に引き続き、[twitter:@unnonouno] さん、[twitter:@hitoshi_ni] さん、[twitter:@overlast] さん、という豪華ゲストである。

台風が来て講義が休講になることを恐れていたが、そこまで雨脚は強くなく、無事授業が開催できてほっとする。自分の授業なら補講をすればいいのだが、非常勤講師の方々は予定があるのでそうも行かず、やきもきするばかり(汗)

@unnonouno さんのお話、昨年度とほとんど同じということだったが、安定のおもしろさ(ご本人の日記も参照)で、初めて聞く学生たちには、やはり大いに刺激になったようである。トークの内容が変わっていないと言っても、この1年で @unnonouno さんを取り巻く状況が激変していて、NLP自然言語処理)若手の会シンポジウムの委員長として2年連続となる合宿を成功させたり、深層学習のエバンジェリストの1人として活躍されていたり、質疑応答が昨年とは違った感じで趣深い。たまたま質問をしてくださった方が @unnonouno さんの元同僚で、しかも都立大の卒業生だったそうで、二重にびっくり。外部の人も参加自由とアナウンスしているし、せっかくこんな3名の方々のトークが聞けるのは貴重な機会なので、どしどし外部から大学にモグりに来てほしい。

ランチに行く途中、@overlast さんと、学生が Linux のサーバ管理したりするのはイマドキ流行らないですよねえ、なんて話をしたりする。きょうび Docker で環境ごと配布されていてナンボ、という世界だそうで、確かにハード的に管理しないといけないということがどんどん減っていて、もう Amazon Web Service でいいんじゃないの、と思ったりすることさえある(まだうちの研究室では手を出していないが)。

大学の研究室だと自前で管理できた方がよいが、サーバ管理に時間を取られるのは本末転倒で、いろんな研究室で教員がサーバ管理に追われているのを見ると、いま30歳以下の若手はもうこれはやらなくていいのでは、という気にもなる。そもそも1研究室に教員が1人しかいない体制でサーバ管理をするのはスケールしないし、どうしても必要なサーバだけにした方がいいんじゃないかな。

昼過ぎは @hitoshi_ni さんのトーク。@hitoshi_ni さんのこの1年での変化というと、いろいろあるだろうが、この講義的には所属が NTT 研究所から東工大助教)に変わった、ということが一番大きい。(ポスドクではなく、正社員として勤めている)企業から大学に来る、という若手研究者はそれほど多くない、というのはトークの中でもあったし、その通りであるが、こういうふうにいろんなキャリアがある、ということを知るのは有益だと思う。去年のスライドと内容もトーンもかなり変わっていて、今の職場がとてもよい環境なのだろうな、と改めて感じる。関東の大学における自然言語処理も、もっと存在感を出していけたらなと思っている。

最後は @overlast さんのトークで、去年同様大変示唆に富む、教育的な、すばらしい内容。今日はみなさん学生に合わせて調節してくださっていて、脱落者が少なくなるように配慮してくださり、とても親切で丁寧な講義だったのではないか、と思う。こういう内容、うちの研究室の新入生の人も全員聞いてほしいのだが、M1 の集中講義と重なっているから出られないという、なんとももったいない話。単位はそれだけではないし、こちらに来た方がいいと思うのだけどなぁ。

夕方、みなさんはお疲れ様会に繰り出していたが、自分は帰宅。去年はみんなで飲みに出かけた記憶があるのだが、去年はまだ保育園に通わせていないので、お迎えがなかったのであった。来年は日程調整をして、5時から1時間くらいは参加できるといいなぁ。