何がカバーされるかではなく何をディスカバーするか

日記を書く。車通勤になってから電車の中で書きだめすることができなくなったので、週末に書くくらいしか書く時間がないのである (FacebookTwitter は細切れの時間でも書けるのだけど)。

先日購入したまま積ん読になっていた「知の逆転」を読み終える。おもしろかった。

知の逆転 (NHK出版新書)

知の逆転 (NHK出版新書)

読み始める前は、単なるミーハーなインタビュー集かと思って食指が動かなかったのだが、読んでみるとどれもおもしろい。大体知っているような話なのだが、新書1冊でコンパクトに俯瞰できるのはすばらしい。(それぞれの話は独立しているので、どれか1つでも読みたいと思ったインタビューがあれば、読んで損はない)

個人的にはアカマイの話が興味深かった。大学で数学の研究をしていたレイトンが、どうして起業することになったのか、そして今も大学と会社の運営をどのように折り合いをつけているのか、ということが参考になるのであった。

あと、どのインタビューで読んだか覚えていないのだが、MITに入学してきた学部1年生が「この授業ではどんな内容がカバー (cover) されるのですか」と質問してきたとき、教授が「重要なのはこの授業でどんな内容がカバーされるのかではなく、きみたちがどんな内容を発見 (discover) するかだ」と返した、という話も、言葉遊びのようだがなるほどと思う。学部1年生にそんなことが言えるのは、さすが MIT だと思うが、遅かれ早かれ大学院を卒業するまでには、日本の大学であろうと学生には discover する人になってもらわないといけないわけで、早いうちからそういう洗礼を受けるのはいいことなのかもしれない。

夜は渋谷で松本研 OB 会。去年と今年に卒業した人たち中心に、14人が集まる。企画してくれた kodai-t くん、どうもありがとう! 自分も今年「卒業」したので、呼んでもらったのである (笑) 奈良より東京のほうが圧倒的に集まりやすいという矛盾があるが、情報系はどうしても職場が関東に集中してしまうのであった。

みんな働き始めたばかりだけど、精一杯がんばっているようで、元気をもらう。こうやってみんなの元気な姿を見られるのは嬉しいことである。

帰りは渋谷から井の頭線で[twitter:@mrcarrot]くんと帰る。なんだか以前もこうやって2人で電車に乗って研究 (者) 生活について話したりしていたのを思い出す。研究テーマ的にはほとんど関係がないのだけど、takahi-i さんが自分にいろいろ研究生活について話してくれたのがとてもその後の大学院生生活に役立ったので、博士後期課程にいる人にはできるだけ自分の話せることは伝えたいと思うのである。(何がヒントになるのかは分からないし、知っているか知らないかで大きく展開が異なることが、博士後期課程の学生には極めて多い)