いろいろなことがあった一日

研究室に行ったら言語処理学会のジャーナルが来ていた。分厚い……。2月4日に提出する博士論文審査願に添付する書類に必要なジャーナルは全部発行されたようである(掲載料・別刷り代まだ払ってないけど)。

高校と大学に電話して、いったい何日に卒業したのかを確認。なぜか審査願に添付する履歴書は日付まで必要で、「3月31日」ではだめらしいのである。確認したところ、高校は3月31日付で卒業、大学は3月25日付で卒業、修士は3月23日付で修了したことになっているらしい。そして今年の学位記授与式は3月24日。まぎらわしい。

午後勉強会に出てみたところ、長くてしんどかったが、やりとりを聞いていると勉強になる。ILP というと自然言語処理分野では曖昧性があるのだが、今回の話は Inductive Logic Programming (帰納論理プログラミング)。松本先生はもともと論理プログラミングが専門でもあったので、命題論理と述語論理の違いについて熱く語り、Markov Logic Network についても熱く語る。

論理学といえば学部の時、記号論理学の授業で

論理学

論理学

を使って勉強したのが懐かしい。この本は対話形式で書かれているのだが、とても分かりやすいので、論理学をまだ学んだことがない人にお勧め(人工知能の授業で必要とか)である。哲学は対話で考えるというのは一つのスタイルだと思う。現実的にじゃあ論理(学)って何の役に立つのさ? という人は
論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)

論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)

を読まれるとよろしい。あやしい推論(似非科学とか)などの例を使って、こういう論理になっているから騙される、というような話がいろいろ書いてある。

たまたま自分が受けた年まで野矢先生が記号論理学の担当(翌年から信原先生になった)だったのだが、そこで記号論理学の授業を受けてなかったら科学史・科学哲学に進学しようとも思っていなかっただろう。その後、基礎演習という文系の学生向けの「研究の仕方・論文の書き方」の授業では、こちらの「論理トレーニング」がテキストで、練習問題を毎週解いて提出、学期末には自分で「あやしい推論をしている事例を身の回りから一つ取り上げて議論せよ」というお題でレポート。ちなみに、自分は

患者よ、がんと闘うな (文春文庫)

患者よ、がんと闘うな (文春文庫)

を題材に、「がん検診で見つかるがんは早期のもので、取る必要はないし、取る必要のあるようながんはすでに手遅れだから、いずれにせよがん検診やがん治療は不要である」という「がんもどき理論」という理論の批判的検討を行った。哲学者の仕事って、自分の興味のあるテーマを追求する一方で、たぶんこういう身の回りの題材をいかに料理するか(警鐘を鳴らすか)ということにかかっていると思う。(逆に言うと、そういうことができない哲学者は、大学で保護する必要もないと思う。哲学に限らずどの分野でも同じだと思うけど)

そういえば、科学史・科学哲学は、哲学をやっている研究室ではあるのだが、教員のほとんどは理科1類か理科2類の出身で、あまり哲学然としていなかったところが自分の肌に合っていたのかなぁ。英米系の哲学もやっているところなので、曖昧模糊とした議論をするよりは、実用主義道具主義的なところが好きだったのかもしれない。

SEG に通っていたときの世界史の先生からメールをいただく。全然お変わりないようで、癒される :-) 前同窓会に行ったのはいつだっけと思ったが、もうあれから5年どころじゃなく7年経っていたのか! ちょっと今度の同窓会は最終審査直前なので行かれまい。残念……。