午前中、勉強会に遅れるかと思って急いで行ったらまだ担当の人が来ていなかった。応用言語学の論文を紹介してもらったのだが、いまいち言いたいことがよく分からない。人文系でありがちな応答として
A「◯◯ってどういう意味ですか?」
B「××という現象があってそれはこれこれこうです(◯◯とは関係ない内容)」
というのがあり、Bの人はAの人がなにを言っても自分の言いたいことを言う、という感じで、自分も昔そうだったなぁと思って人のことは言えないのだが、「それって答えになってない」とじれったい思いをする。でもこの応答が変だと思うのはなんか自分の脳が工学系の研究に最適化されてしまっている気がしてちょっと怖い。
前も書いたかもしれないが、学部のころ野矢先生の授業で
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実際これをやってみると、一見まともそうに見える論説が、いかにあやしい(あやうい)論理で成り立っているかということが浮き彫りになっておもしろかったのだが、上記の典型的な質疑応答でも本来はAの発言を受けてBが反論なり対応なりしなければならないのに、そういうロジカルな構造になっていないということが分かったりする。
人文系の研究も役に立つことはいろいろあって、こういう文章の論理構造をちゃんと把握したり、実務では個々の現象にばかり気を取られて体系的な思考ができないところをしっかりまとめたり、こういう批判的思考は理科系でも文科系でも必要な方法論なので、どこかで教育するとよいと思うのだけど。(たぶん高校1年生くらいが妥当?)
(2010-11-12 追記) 上記の本、新装版が出ているようだ。
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