文系で理転をしたら困ること

今日から仕事始め。年末年始は本当に全然仕事ができなかったので、ほっとする。大体仕事始めから2月中旬くらいまでが、教育関係の仕事(センター試験の監督や大学院入試、卒論・修論・博論関係の仕事、試験やレポートの採点と入力等)および国際会議の仕事(査読と原稿の投稿)のピークで、1年間の中で土曜日も仕事しないと追いつかないのはこの1ヶ月半くらい。8月も大学院入試や前期の授業の採点があるといえばあるのだが、国際会議の締め切りは重ならないし、学位論文系の仕事もないので、そこまで大変ではない。

午後は人工知能・自然言語処理概論の授業。この授業、情報科学科の学部1年生向けの必修の授業なのだが、編入生も必修で、かつ他学科の学生や科目等履修生の人も履修してたりするので、微妙に話しづらい。新学科に編入する学生は今年度が初めてで、これまでは編入生がいなかったので、基本的に全員1年生と仮定することができた、ということではあるが……。

夕方は学外の学部3年生の人と Zoom 面談。必ずしもうちの研究室を受験するというわけでない人でも、文系から大学院では自然言語処理の研究がしたい、という人の相談にはできるだけ乗っている(自分がそういうキャリアで、同じような人を応援したいから)。うちの研究室の問題点は、大学院(システムデザイン研究科)自体が異なる分野から進学してくる学生を想定していないので、コンピュータサイエンスの基礎を勉強したい、みたいな人の期待に応えることが全然できないことで、そこは独学する(独学した)、という人でなければ NAIST や JAIST に行く方がいいのである。まあ、首都大時代は異なる分野どころか、そもそも内部進学生のことしか想定していないような感じだったので、それよりは改善されたような気はする。

NAIST で良かったのは、情報系以外出身の人向けに、情報系だと B1/B2 くらいに配当されているような基礎的な内容の授業が開講されていて、それを卒業に必要な単位として取得することができた(情報系出身の人は履修不可だった)ということである。本研究科でも10単位までは学部の科目でも認めることができるし、過去にはうちの研究室でも学部の科目の単位を認めたこともあったのだが、1-2年生向けの科目を申請して「学部1-2年生の科目のような基礎的な科目を大学院の単位として認定するのはいかがなものか(研究に必要な知識だということは分かるが、それは大学院の単位としてではなく聴講すればいいだけで、大学院としては大学院レベルの科目を履修させるべきではないか)」とリジェクトされたこともある(うちの学生ではない)ので、これで単位の取得が認められることを前提に動くのはちょっと怖い。ロジックとしてこれを認めないロジックも分かるし、そもそも本学部は1-2年生向けの専門科目は基本的に南大沢で開講されるため、わざわざ南大沢に通って(移動で1日潰して)まで履修するメリットがあまりないのである。