積み重ねないと理解が難しい

毎週水曜日は進捗報告の日にしていたのだが、今週は M1 のうちの1人が集中授業が13時からあるということで、10時からスタートすることに。結局進捗報告で他の人の進捗報告を聞く人と聞かない人といて、他の人の進捗報告を聞く人は聞かない人の3倍くらいの速度で成長するのだが、進捗報告で他の人の進捗報告を聞かない人でもそもそも進捗報告をしない人の3倍くらいの速度で成長するので、自分としてはあまりごちゃごちゃ言わないことにしている。進捗報告の時間に顔を出すだけでも偉いと思うし、自分自身が学生ならそもそも毎週進捗報告には顔を出さずに長期インターンシップに行ったり、勝手に研究したりしていると思うので(しかしいま思うと、勝手に研究していたテーマはどれ一つとしてちゃんとした成果にならなかったので、研究成果にしたかったら、かなり早い段階で教員のところに相談に行くべきだったと思う)。

ちなみに、NAIST 松本研にいた時代のことを思い返すと、他の人の進捗報告を聞いていた人は、割と博士後期課程に進学して博士号を取得し、研究者になっている(因果関係ではなく相関関係だと思うが)。そう思うと、いかに学生同士で研究の話ができるような環境にするのかが(少なくとも博士号を取る学生を増やすという観点からは)重要だ、ということになりそうな気がするが、それに対して(既に研究室に来た学生に対して)教員のできることはあまりないような気がするし(どういう人に研究室に来てほしいか、というのを伝えるのは、経験的には大きな効果があるので、それについては事前に伝えるようにしている)、そもそもこのオンライン環境下ではさらに難しい。

午後は命令退学候補者とのオンライン面談。所定の期間でこれくらいの単位は取らないと卒業厳しいんじゃないですか、という基準が決まっていて、それを下回った場合にこういうふうに学部教務委員との面談が組まれるのである(大学院生にはこのような制度はない)。どういう人が該当するかというと、2年間で30単位(4年間で60単位、6年間で90単位)取れていない人が該当するのだが、年あたり15単位というと8科目(前期4コマ後期4コマ)くらいに相当するわけで、確かにそれくらいは取らないと卒業できないな、という感じである(例えばうちの学科では3年次修了までに120単位ほど取ることになっているので、そもそも年に40単位くらい取っておかないと、順調に卒業できない)。

自分自身学部は3回留年しているので全く人のことは言えないし、履修登録しても単位が取れないことも多々あった(学部時代は登録できる科目数の上限がなかったことも関係)のだが、あまり基礎知識がなくて突然受けても一応単位は取れることが多い(ので、単位が取れない科目があっても、取れそうな科目を入れておけばいつかは単位数が充足される)文系科目に比べ、理系の専門科目は前提知識がないまま受けても本当にちっとも理解できずに単位を取得することができない(ので、何回同じ科目を履修しても毎年単位が取得できない)、という場合があるので、たくさん履修登録すれば単位が取れる、というわけでもないのが難しい。結局、自分が理解できるところまで戻って学び直してからでないと、そこから先の勉強ができないので……。

情報科学科が発足してから3年目で、カリキュラム的にかなりガチガチに依存関係を決めて設計したので、そろそろ脱落者がちらほら出るころだと思うが、どういうケースで脱落するのか、ということを分析した上で、カリキュラムを微調整していく必要がありそうである。自分の予想としては、情報科学科のカリキュラムだと、脱落する人は B1 の後期から B2 の前期にかけて、学科基礎科目の履修がスタートするとすぐに自分の興味と適性が分かり、B2 後期の実験まで受けると決定的に「これは違う」となりそうに思うので、そういう人は転学部・転学科を含めて早いうちに動いたほうがいいと思っている(転学部・転学科は早めに申し出る必要があるので、B1 後期の専門科目で「あれ?」と思ったら、B2 前期から転学部・転学科先の科目も合わせて取れるように、希望先の学部教務委員と相談したほうがいい)。