査読者を育てるためにまず一つ

今日は日野キャンパスでオープンキャンパスの予定だったのだが、前日に台風接近のニュースがあって中止が決まっていた。土曜日になってみると、特に台風の影響もなく、これ開催してもよかったのでは、と思うのだが、あとからそういうことを言っても仕方ないので、前日に中止を決めたのは英断だったということだろう。

オープンキャンパスを負担に思う人(教職員・学生)からすると、中止になって嬉しいだろうし、自分自身2年前に研究室公開に参加するまでは中止になると嬉しく感じる側の人間であったのだが、2年前にやってみて、これはシステムデザイン学部にとっては(10月の SD フォーラムと比較にならないくらい)きわめて重要なイベントであるということが分かり、あまり中止しないほうがいいと思っているのだけど。むしろ、SD フォーラムの方をやらなくてもいいんじゃないかなぁ。

予定が空いたので、自分は午前中に2時間ほどメール処理し、午後は同じく2時間ほど NLP 若手の会シンポジウムの発表予定の人の研究の確認。あと、保育園の10月からの保育料の無償化に合わせて、食費と保育料のシミュレーション。うちの娘の通う保育園だと、保育料は全額無償化対象(上限額の範囲内)なので、3歳児以降は食費だけ払えばいいことになりそうである(0-2歳児は住民税非課税世帯の人以外は無償化対象ではないので、払わないといけないけど)。

夕方は国際会議の査読を2件。自然言語処理の国際会議はだいたい secondary reviewer というのを立てることができるので、内容に応じて研究室の博士後期課程の学生に適宜頼んでいる(本当にドンピシャの研究テーマをやっている場合を除き、博士前期課程の学生に頼むことはほぼありえないが)。ほとんどの場合、secondary reviewer を頼まず自分で査読をする方が速いのだが(論文は全部自分でも読むし、secondary reviewer の書いた査読原稿も添削する必要があるので)、自分で査読をする側に立つと、査読者としてどの部分が気になるポイントかというのも分かるし、査読者の気持ちになって論文を書くことができると思うからである。

まあ、大体は(細かい実験設定に対する)厳しすぎる査読コメントになっているので(博士後期課程の学生やポスドクの人にありがち)、ここはそこまで重要ではなく、ここ(研究のモチベーションだとか、そもそものタスク設定だとか)がむしろ問題、みたいなことを書き換えたりするのであるが、こうやって、少しずつ研究室のレベルが上がるといいなあと思ってコツコツ続けている。少しずつ査読のできる人を増やさないと(いまはもう増やしてもすでに焼け石に水だろうが)、査読システムの崩壊が近いと思うし……