トラブルはネタにできればつらくない

台風一過ということで午前中は小金井公園に行くが、誰もいない……。空がきれい。

おもしろい本だという噂を聞いたので、「バッタを倒しにアフリカへ」を読む。

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタの本かと思って手に取り、確かにバッタの本であったのだが、想像を大きく上回るおもしろさで、一気に読んでしまった。研究(者)とは何か、というのを参与観察したらこんな感じになるのではないか、というフィールドワークの本であり、笑いあり涙あり、七転八倒いろんなことがあって手に汗握る展開である。

自分も割と逆境に強いタイプだと思うが、この本の中にもあったように、トラブルがあると普通の人はイライラしたり不安になったりするようだが、自分はいつからか「ちょっと困ったことあったけど、話のネタになるからいっか」と開き直ることができるようになったので、あまり問題を問題視しないのかもしれず。

同じく新書になっていた「理系という生き方」という本も読む。これは最相葉月氏が東工大で行った連続講義を元にした本で、だいたい毎回1人ゲストを呼んで話してもらったあとに対談をするというスタイルだが、どの話も一級におもしろい。研究について考えるヒントが満載なのだが、書名通り「生き方」にも焦点があり、人生ってどういうふうに考えて選択するか、というのがよく分かる。学部生のときにこういう話を聞ける人たちは幸せである(こじらせていて、聞いても反発するかもしれないけど)

元々の本はこちら。あと「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」もよかった。半分は理系の人の話だが、羽生善治竜王の若い頃の話、特に結婚にまつわる話なんかは初めて知ってびっくりしたし、是枝監督の最初のころの「ヤラセ」を指示して作った番組でこっぴどく叱られたというエピソードも、やっぱりそういう失敗をして現在につながるんだなぁと思ったりする。

自分もまだ何者でもないと思っているのだが、「XXX と言えば小町」みたいに言ってもらえるような仕事、できるかなぁ。自分で学会を作るくらいの気概がないと、と思うのだが、学会を減らすことには関心があっても増やすことには関心がないので、自分はそういう役回りではないのかもしれないが……。