少しずつ仕事時間が減っている

先日日記が現実の日付に追いついたと思ったらまた引き離されてしまった。1週間以上経つと、その日何をしたか忘れてしまう……。

「大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学」を読んでみた。

特に目新しい情報はないし、あまり自分の立場(東京の公立大の教員)として参考になる点はなかったのだが、女子大の生き残り策の説明の章がおもしろかった。下手に共学化するとブランドを毀損するのだが、かといって手をこまねいているとジリ貧という微妙な立ち位置で、女子大以外の大学も遅かれ早かれ同じような立場になると思われるので、独自性をどこに持っていくかについて考えた方がいいと思ったりする。人工知能ブームも去ったら優秀な学生が来てくれなくなるだろうし、そこでどうするか考えても遅いわけで。

そういえば、大学教員の職務時間の変化のその後がどうなったか調べたら、H25年度の調査結果が出ていて、H20年度では工学分野の教員は年間2952時間(年240日勤務として、1日あたり12時間ちょっと)働いているのに対し、H25年度では同2639時間(1日あたり11時間)に減少している。自分が教員になったのがH22年なので、仕事が多いなと思ったが、個人的にも仕事量を減らしているし、全体としても仕事の時間は減っているようである。

しかしそもそも大学教員が1日あたり11時間仕事をする前提で仕事を振られると(それで世の中が回っていると)、週40時間でやりくりしようとする自分のような人は困るので、もっと大学の仕事の量を減らさないと回らないのでは?と思ったりする。負荷を減らすとしたら、学会運営(日本の学会の研究会を統合・廃止したり、ウェブ開催にしたり)と大学運営(対面で集まる委員会を減らし、メール開催やウェブ開催、テレビ会議等で済ませる)、そして教育だと思うけど、どれも一長一短あるので一気にやるのは難しいだろうな……。

教育に関しては、教員の負荷を減らすためには、学部教育と大学院教育を整理し、現在の大学院の講義を内部進学生は B4 で早期履修できるようにする一方で、就職希望の学生はコースワークだけで修了できるようにするとかかなぁ。その代わり、M1 では卒研相当の重さのプロジェクトを1-2回させ、バランスを取ったり、外部から大学院に来る学生の能力を把握し、必要があれば学部生も履修するような科目を履修させる必要があるので、今の大学院入試(専門科目は数学しか課さない)では難しい(指導教員の能力が問われる)かもしれないが……。

あと、外部からの進学生は、必要があれば3年で修了するようなプランがあればいいのだが、今の日本の社会では許容されなさそう。大学院に進学する内部進学生は飛び級をデフォルトとして学部+修士で3.5+1.5の5年で出られるようにして(大学院に進学しない場合は従来通り4年が基本としておく)、外部生は0.5年ぶんの講義を取って2年で出るようにすれば、4月の一斉採用前提でもそこまで不利益はないだろうし(ただ、10年もすれば慣行も変わっているかもしれない)。東大や東工大と同じようなやり方でやっても仕方ないので、首都大はもっと挑戦してみたい。