近年は明治大学いい感じ

今日は午前中からコース会議だったので、保育園の送りと迎えを交替してもらった。金曜日は体調が悪すぎ、もしやインフルもらったか?と思って、感染していたら出勤できない可能性を考慮して、印鑑と書類を託す準備をして退勤したのだが、特に連休中は体調が悪化することはなく、無事 B4/M2 の卒業・修了判定と博士論文の最終審査の結果の審議を行うことができた。あとは木曜日の教授会まで無事でいたい(汗)

お昼はカリキュラム委員(教職関係)の仕事。2年前から12月〜2月はこればかり。文科省の書類の締め切りがこの時期だからだけど、本気で日本の大学は9月卒業・10月入学をデフォルトにすべきではと思ったりする。東大が秋入学にするという話、どうなったのかと思っていたが、断念していたのか……。学部はまだしも、大学院は秋入学・秋卒業をデフォルトにするとか、もう少しやり方があるのではないか、と思ったりする。就職の時期をずらせない、という懸念があるのかもしれないが、そもそも卒業の時期は9月のままで(さらに在籍したい人は半年在籍できるようにして)、そこから就職活動なりインターンシップなりをして4月入社にするとか、できないのかなぁ(そうすれば Win-Win では?)。

午後は広報戦略セミナーというのに人数合わせのために出席したのだが、率直に言っておもしろくない。首都大の全学の教職員が対象のセミナーでおもしろかった試しがないのだが、対象としている層と自分が違うのではないかと思ったりする。

そういえば先日読んだ「あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか?」という本がそこそこおもしろかった。

最近は MARCH の中では明らかに明治大学が頭一つ抜きん出ていて、もはや MARCH ではなく ARCH で、「早慶上智」ではなく「早慶」と「上智・明治・・・」になってきている、という話(上智は早稲田を皮切りに各地で国際教養学部が作られるようになって、最近では地盤沈下してしまったそうだ)。

この本、どのようにして(水増しせずに)明治大学が全国志願者数1位になったか、というあたりがとてもおもしろく、1年だけ首位になって2年目は中間報告で2位だったが、そこから「1年だけ1位ならまぐれだが、2年連続で1位になり、早稲田を首位から引き降ろすことに意味がある」と現在の学長が周囲を説得し、能でいろんな場所で観客を集めた経験からいくらかけてどのように動けば何人動員できるかの肌感覚は知っているので、勝算は十分あると主張して実際に行動し、1000人差をひっくり返した、という話が出色である。人生どういう経験がどこで生きるか分からないし、自分もこういう経験に心当たりはあるので、ゲリラ戦で戦ってきた人がいる組織は敵がいると強いなと思ったりする(そういう人が首位に立ってそれを保ち続けるのが得意とは限らないが)。

ちなみに同じような話題に見えて下記の「早慶 MARCH」は買うべきではない本。

早慶MARCH 大学ブランド大激変 (朝日新書)

早慶MARCH 大学ブランド大激変 (朝日新書)

やはり総花的に表面的な取材だけで書いてもおもしろくなく、えこひいきでもなんでもいいので書いている人の色が出るような本の方が読んでいておもしろい。

午後は大学院のプロジェクト演習の最終報告会。2グループの発表で、この報告会は学生にも質問してもらうことが目的の一つでもあるので学生に質問を促したが、いい質問ができる学生とそうでない学生で明らかに差がつく。自分もそういう経験に心当たりがあり、NAIST 時代に(しばしば他の)研究室の学生の発表に鋭いまたは的確なコメントや質問ができる学生は、その後優秀な研究をするようになっていっていた(大学教員になる人も少なくない)ので、「質問する能力」がある学生は、D進してくれると嬉しいなぁ、と思ったりする。これ、適切な質問できるのは特殊能力だと思うので、それができるだけで教員としては大きなアドバンテージだと思うし(まあ、必ずしも大学教員になりたいというわけではないかもしれないけど)。

夕方は研究内容の紹介スライドの英語版を作成したり。首都大の仕事、2-3%くらいは「意味がよく分からないけど、予算がついている・学長あるいは学部長が乗り気だからやらないといけないので、やらないといけない」という謎な仕事があるのだが、そういう類の仕事である。時間が少ないとはいえ特に意義が分からない仕事をするのは虚しいもので、こんなことに自分の時間を使っていいのだろうか? と疑問に思ったりする。まあ、いつもお世話になっている先生が困っている仕事なので、持ちつ持たれつで協力しているのだが、予算は要らないからと最初から断ればいいのになぁ……(特に不要で使い勝手もよくない年間百万の予算のために教員の時期が延べ100時間程度失われるのだが、その時間とお金は他のことに使った方が良くないか?と……)。