2014年のまとめ・育児中心の1年

今年は実家に行かないので、家でゆっくり年越しそばを食べたり紅白を見たりして過ごす。

今年のまとめ。
1-3月

  • 1月は卒業論文の添削。卒論で研究をするのだから言語処理学会年次大会で発表できるだろう、と考えていたが、全然実験が間に合わずに断念。最後の追い込みができるかどうか、というのは、能力・性格的な側面もないわけではないが、困ったとき相談して前に進める先輩や同期、後輩がいるか、という環境的な要因も多分にあることを思い知る。研究室の「文化」をつくるのは並大抵ではない、と痛感する。
  • 2月は比較的落ち着いて過ごす。久しぶりに、国際会議の論文を書いたりしなかった(書ける学生もいなかったが)。その代わり、共同研究のために報告書を書いたり、プログラムを書いたり、年度末にありがちな事務処理がたくさんあった(年度末にプログラムを書くことは、あまりないと思うが……)。翌年度のTAを申請したり、必要な物品を揃えておいたり、少しずつ新年度の準備を始める。
  • 3月は言語処理学会年次大会に参加するため、北海道に行く。進学予定の学部生2名も、予算が余っていたので聴講参加してもらう。研究発表や若手の会懇親会もさることながら、空き時間に観光したり、けっこう楽しかった。卒業式があったので途中で帰ってきたが、(当たり前のことながら)来年はちゃんと発表で来よう、という気持ちが高まる。

4-6月

  • 4月に新入生(学部4年生、修士1年生)が研究室に加わり、一気に賑やかになる。最初は「研究室の勉強会の進度が遅いので、もっとやってほしい」と言われたりして、やる気あるなぁ、とびっくりしたものだが、そのうち忙しくなるからいまのペースが継続できるならそれでいいと思うよ、とアドバイスしたのは的中したようだ(笑)
  • 5月のゴールデンウィーク明けに娘が生まれ、出産支援休暇および育児参加休暇を取得したりなんだり、ゴールデンウィークの休暇も含め結局2週間くらい出産・育児にかかりきりになる。1ヶ月健診が終わるまでは落ち着かなかったが、ちゃんと夫婦で育児する体制を整えたのはよかったと思うので、これから出産に立ち会う男性には断然育児参加休暇の取得をお勧めする(第1子の場合、出産直後ではなく、退院してから休暇を取るのがポイント。出産直後は子どもと母親は病院にいるので、父親ができることは少ない)。
  • 6月は南大沢キャンパスで授業が始まり、子育ても手探りで自転車操業感が半端なかった。夜の24時から朝の7時までの娘の世話担当が自分なのだが、1ヶ月健診乗り切ってだんだんサイクルがつかめてきて、夜8-9時に寝て午前2-3時からずっと起きて仕事をするようになり、娘の世話も全然苦ではなくなった(ただし、後で分かることだが、秋口から深夜が寒過ぎて夜に起きられないので、娘が生まれたのが5月で本当によかった)。

7-9月

  • 7月は前期の研究の仕上げをする。日英の統計的機械翻訳および中国語学習者の文法誤り訂正のそれぞれのタスクで国際会議発表するため、実験を詰める。4月に自然言語処理を始めたばかりの学生たちだが、数ヶ月で(査読付きではないが)論文を書けるくらいの実験ができたのは、大きな自信になった。昨年度はNAISTの人たちとの共著の発表しかなかったのだが、これが首都大で手がけた初めての対外発表である。
  • 8月はインターンシップに行ったり帰国したりする学生がいて、一気に去年までのような研究室に逆戻り(とはいえ、それでも去年より学生数は多かった)。インターンシップは奨励したいのだが、研究室にある程度人数がいないと研究室にわざわざ来るメリットが薄れてしまうので、どうしたものかというジレンマがあった。
  • 9月の頭に首都大南大沢キャンパスでホストした NL 研(情報処理学会自然言語処理研究会)、Project Next NLP ワークショップ、外部の方々をお呼びしてうちの学部1-2年生に向けて集中講義をしてもらったのがハイライト。また、三浦海岸で 合宿形式の NLP自然言語処理)若手の会シンポジウムを開催したのが集大成で、記憶に残る9月にできたと思う。

10-12月

  • 10月から新学期で、大学院の授業が1コマ、留学生向けの授業が1コマスタートする。子育てが始まってみると前年度には想像していなかった時間のなさで、やらなければいけない仕事がオーバーフローし、授業計画を大幅に見直し、新規の仕事を引き受けるのをやめ、事務補佐員の方をお願いし、あの手この手で仕事の負荷を減らす(が、まだ時間が足りていない)。
  • 11月から本格的に深層学習の勉強を始める。ホットな分野で大変おもしろい。ACLやEMNLP、COLINGといった自然言語処理の国際会議の読み会を研究室でするようになり、知らない論文をいろいろ学生から教えてもらえるようになって、嬉しい。研究でも、だんだんみんな実験サイクルが回り始めたようで、進捗報告や研究相談で具体的な内容をディスカッションしたりできるいうになって、楽しい。娘は慣らし保育が始まり、ときどき送り迎えや病院に連れて行ったりすることになる。
  • 12月は卒論や修論言語処理学会年次大会に向けた研究の継続。進捗は全員それぞれだが、横並びに行かなくなったところからが正念場なので、そういう意味で順調。来年度はさらに研究室のメンバーが増えるので、部屋の模様替えをしたり機材を発注したり、準備を始める。ただでさえ少ない仕事の時間は、妻が週2で仕事を再開し、娘の保育園の送り迎えを自分がするようになり、さらに減少する。根本的な解決策を検討中。

今年の抱負の点検。

  • 仕事を引き受け過ぎない
  • 首都大でも研究する
  • 家族を大事にする

一つ目は、けっこう断った仕事も多い(半分くらい)のだが、まだ引き受けすぎな気がするので、反省点である。二つ目は、まだ査読付きの国際会議や論文誌に投稿できてはいないが、ワークショップやシンポジウムでの発表をすることができたので、少しずつ進めているかなと思う。三つ目は、今年はずっと娘中心の生活になったので、割とちゃんとできた気はするのだが、妻をいたわる時間が相対的に減ってしまったので、少し反省。

年末年始は本当に家族とずっと過ごすつもり。というか、娘と一緒にいると他のことをする時間がほとんどないのだが、世の中のみなさんはどうされているのだろうか?

最後に娘と2人でいるツーショット(腕の中で寝てくれてほっとしているところ)。

本年中はお世話になりました。