見学は余裕を持ってするといい

午前中、昨年度に首都大から NAIST を受けて進学した学生が訪ねてきてくれる。他コースの学生だが、後期の「パターン認識機械学習」の授業を受けてくれて、NAIST に行くにあたってためになった、と言ってくれて嬉しい。しかし(彼のことではないが)NAIST に進学しても研究室配属で第一希望の研究室に行けないことがあると聞き、それは厳しいなぁと思ったりする。自分の知る限り、ほとんどそういうことはなかったはずだが……(入試のときに希望したのと違う研究室を進学後に希望した場合は優先度が下がるとか、企業との連携講座のようにそもそも数が少ない研究室とかは別にして)。

そういえば修士論文は日本語で書くことを認めているのだが、英語で書いた原稿をベースに日本語にしているのに、かなり日本語の添削をしないといけないのが大変で、昨年度からは同期同士でチェックしてから送ってもらうようにしたところ、若干楽になった。NAIST 松本研で松本先生は必ず最低1回は通読してコメントをくれていたので、自分も1回は通読してコメントはするようにしているのだが、3回見たりできるのは、〆切を守って送ってくれる人だけかなぁ。(修士論文は単著なので細かいコメントはあえてしない、というのも一理ある方針だが)

お昼は博士前期課程の受験希望者とランチ。見学したいという問い合わせを今朝受け取ったのだが、出願〆切が今日と誤解していて、これは大物だと思ったが、出願〆切は明日なので、そこまでギリギリではなかった。

今年度(来年3月)修了の学生が少なく、来年度は研究室の座席が足りないことが予測されているため、今年の博士前期課程の入試では原則として博士後期課程へ進学希望の受験生しか出願を認めていないのだが、この方針にしたために受験問い合わせが激減(前年度比1/10)し、少し寂しく思う反面、問い合わせ対応に使う時間を大幅に削減することができたので、来年度も原則同じ方針の方がいいのかも、と思ったりする。結局ほとんどの受験生は入学しないので、小町がかける時間の割には研究室としては負担が重いのである(自然言語処理の他の研究室をお勧めしたりして裾野を広げる意図でやっていたが、研究室の学生数が多過ぎて、もう自分ではそのコストを払えない)。

昼からは ACL SRW自然言語処理のトップカンファレンスの学生セッション)と NL 研(情報処理学会自然言語処理研究会)の発表練習。全体で発表練習をやる意義は、他の人の発表練習とそのコメントを聞いて、他山の石として発表に関する能力を研究室の全員が向上させてほしいというもの。

聞いていない人ほど、毎回同じコメントをしなければならないのだが(そのためクオリティも上がり切らないまま発表せざるを得ない)、どうすれば研究室全体で発表スキルが共有できるか悩んでいる。原稿は事前に先輩(メンター)にチェックしてもらうという方法で楽になったので、学生だけで事前に発表練習をしてもらうことを義務付ける、というのが一つの解だろうか。

夕方は最後の COLING 2016 読み会。今年は前期から結構しつこく論文紹介をしているので(例年、本格的にやるのは後期)、B4/M1 がちゃんと論文を読める(=他人に紹介できる程度に理解する能力がついている)ようになっていることを期待。外部で開催される、最先端 NLP 勉強会のような論文紹介の勉強会に出てもらえると、うちでやっていることは特殊なことではなく、どこでもやっているということが分かるし、かつハイレベルな紹介やコメントを見聞きすることができるのだけど、研究に興味のある人でないと、難しいかなぁ。