週末で出かけるところも特にないので、「白と黒のとびら」を読み終える。
- 作者: 川添愛
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2013/04/18
- メディア: 単行本
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ただ、自然言語処理の研究を始める前であれば絶賛したかもしれないが、実際離散数学など情報科学の一分野としてオートマトンや形式言語を勉強した身としては、散文で書かれても形式言語のことは分からないと思うし(物語風だから仕方ないが、定義が不正確)、オートマトンや形式言語について知りたいなら他の本を当たったほうがいいと思う。分かっている人でないと楽しめない気がするし、逆に分からない人にこれでオートマトンについて理解させようというのは、かなり無理がある。あくまで、これで勉強しようという人向けではなく、こういうことに関心のある人が手に取るものであろう。
中学生や高校生くらいで、こういう話に多少興味のある(人文系の)人が手に取ってくれて、こういう勉強が楽しいと思ったら、文学部ではなく理学部か工学部に行くと学べるよ、というのが伝わるといいなぁ。自分はこういう学問をやりたかったのだが、こういうことを考えているのは文学部だと思っていたので……(最終的には工学部に来たことになるわけだが、だいぶ回り道をしたなぁ)
あと、主人公が魔術師の家で修行しているという設定、「赤ずきんチャチャ」を思い出し、ずっと脳内でしいねちゃんやチャチャが動いていたが(笑)