正規表現を学ぶタイミング

地元のクリニックに電話して、インフルエンザの予防接種に行ってくる。自分の人生でインフルエンザの予防接種を受けたのは、大学受験で浪人した年だけである。さすがに浪人した年だけは、インフルエンザで1日寝込むだけでそれまでの努力を棒に振りたくはなかったので……。(これまで34年間インフルエンザにかかったこともなかったのだが、今年初めてインフルエンザにかかったようなので、用心するに越したことはない)

注射を打ってから家に帰ってきて安静にする。来年の授業の準備で、オートマトン形式言語について勉強する。大学にいるとゆっくり本を読む時間がないのだが、家だとするするっと読めてよい(その代わり、キーボードを打たないといけないような仕事は、家ではまずできないのであるが……)。

NAIST では「オートマトン 言語理論 計算論 <1>」を使っていたのだが(リンク先は第2版、どうも第2版のほうがかなりよくなっているらしい)、

オートマトン言語理論 計算論〈1〉 (Information & Computing)

オートマトン言語理論 計算論〈1〉 (Information & Computing)

今回以下のものも入手してみた。共立出版から出ている、「計算理論の基礎 [原著第2版] 1. オートマトンと言語」「オートマトン・言語理論入門」の2つ(後者は教科書ということで献本してもらったが。東京に来てから、都内から近いせいか、出版社の人がよく訪ねてくるのである)。
計算理論の基礎 [原著第2版] 1.オートマトンと言語

計算理論の基礎 [原著第2版] 1.オートマトンと言語

オートマトン・言語理論入門 (未来へつなぐ デジタルシリーズ 5)

オートマトン・言語理論入門 (未来へつなぐ デジタルシリーズ 5)

全部一通り目を通してみたところ、「計算理論の基礎」が圧倒的に読みやすく、おもしろかったのだが、このように講義しようと思ったら、相当理解していないと難しいなぁ、と思案する。とはいえ、自分の勉強だと思って、来年は家でも時間を取り、しこしこ講義資料を作ろう。

話によると、うちの学生はいまのところオートマトン形式言語に関する授業がないので、正規表現も授業で習っていないようなのである。外部の大学院受験のときに苦労するだろうな、という以前に、正規表現を知らないと自然言語処理の研究をする場合は難儀する(たとえば言語処理100本ノック正規表現の扱いを参照)ので、この科目はぜひとも教えておきたいところである。「情報も通信も学べる」「総合大学なのでいろんな科目が勉強できる」と高校生は意気揚々と入ってくるのだろうが、現実的には研究開発に必要な専門科目を押さえておかないと、あとで困るんだよな〜。

まあ、結局限られた授業時間の奪い合いになるので、最大公約数的な科目しか教えられないし、通信系の研究には正規表現は必要ないだろうから、2年生の貴重な専門科目の時間は数学やプログラミングに回したほうがいいのかもしれないが……。