研究の過程を共同で作り上げていく

朝早くに起きて発表練習。今日は Microsoft Research Japan CORE Project Workshop があり、トークが7分でQAが3分と聞いていたが、最初話してみたら2倍の時間がかかったので……。一応時間内に終わるように調整。あとで他の人たちのトークを聞いていたら、7分を守る人とそうでない人と半々くらいだった (汗)

朝食に降りたら松本先生がいたので一緒に食べる。たまたま同じ論文の査読が当たっていたようで、その話をしたりする。昔 EMNLP が Workshopn on Very Large Corpora と呼ばれていたころの話をお伺いしたりする。これが流行りのビッグデータ (嘘)

荷物を持ってきていなかったので、慌てて取りにいったのだが、バスを数分待たせてしまったようだ。申し訳ない。

午前中はオープニングのあと Shotgun session といって、去年1年間 Microsoft から研究費をもらった研究者の人が次々に発表するというスタイルのセッションである。自分が何番目か知らされていなかったが、[twitter:@ARAMAKI] さんの次、2番目だった。

今週はこの発表があるのでなんだかずっと憂鬱な感じであったのだが、発表は割と落ち着いて話せて、質疑も内容を補足できるような感じで質問をしてもらえて、ちょうどよかった。Microsoft Research とのコラボレーションを促進する、という趣旨なのだが、全く協力せずに研究するという人も多いと聞いていたので、どのように我々が [twitter:@Yuki_arase] さんと共同で研究をしていたのか紹介したら、期待通りみなさん受けていたのでホッとする (笑) 個人的にはもらった研究費より、[twitter:@keiskS] くんがこのプロジェクトに関するインターンとして3ヶ月 MSRA に行ってくれたことをきっかけに、この3人で一緒に研究ができたのが、一番ありがたかった。

セッション全体では自然言語処理関係のプロジェクトが1/3で多い方だが、画像やヒューマンコンピュータインタラクション (HCI) の発表もあり、それぞれ楽しめた。発表より報告書の方がいろいろ書かれていておもしろかったが……。1年間だと研究プロジェクトの途中でこの成果報告会を迎えないといけない場合もあるのだが、一般的には他の人の業績を見ても採択が決まった状態のものしか見えないので、どういうところに投稿している、あるいは投稿予定だ、というのを見られる機会はあまりないのである。(かくいう自分も、この報告書を書いているときはまだ2本の論文が投稿中で、報告会までに両方の採録通知が来たのでほっとしたのだが)

昼はランチを食べながらポスターセッション。[twitter:@yasumat] さんや [twitter:@tetsuyasakai] さん、[twitter:@msraurjp] さんと話していたりして、半分以上 @keiskS くんにお任せしてしまったが、人数の割には聞きにきてくれた人も多く、よかった。ACLの発表がポスターなのか口頭なのかまだ知らされていないのだが、ポスターだったら再利用できるのにな〜。

トイレに行くついでにインターンがいるスペースを回らせてもらう。決して広いわけではないが、狭いというほどでもないかな。某Y社と同じくらいではないかと……。(社員はインターンより広いスペースのようなので、そういう意味ではうじゃうじゃいるインターンがあれだけのスペースをもらっているというのは、会社としては広いのだろう)

個人的にはこの環境、割合好きな感じなので、学生のころ来ていればよかったなぁ、と思ったりする。レドモンド (シアトル) とも違う感じだが、自分はこっちのほうが好き。実は Microsoft も就職先候補の一つで、東京の当時赤坂のオフィス見学にも行ったことがあるのだが、MSRA がこういうところだと知っていたらもう少し検討していたかもしれない。(もっとも、家族会議の結果否決される可能性が高いが……) 空気のよい時期なら1ヶ月くらい滞在するとか、できるかな?

午後は MSRA の人たちや中国の大学の人たちの研究発表。それぞれ参考になるのだが、質疑応答もほとんどなし、休憩も5分と10分がそれぞれ1回で夕方までぶっ続けはかなりしんどい。発表の数を減らして休憩を20分x2回くらい入れてもらえるといいのではなかろうか?(個別の質問がしやすくなるし、結局休憩のときにいろんな人と交流できるので)

夕方は懇親会。MSRAのビルの隣の中華料理 (北京ダック)。なにやら建物が歴史的建造物 (皇帝の親族が住んでいた?) とかで、上から見るとバラックに布をかけたように見えるのだが、由緒あるところらしい。

北京ダック自身食べるのは初めてなのだが、脂が乗っていて美味。アヒルの脳みそを食べるとその分賢くなるそうで、2つしかないので普通はゲストに差し上げるということなので、いただく。レバーのようなペースト状の臓器で、味は可もなく不可もなく、といったところだが、ずっと食べ続ければものすごく賢くなれそう!!!

@yasumat さんと隣の席だったのだが、画像処理やビジョン、言語処理や音声といった分野ごとの違いの話をしたり、大学と企業の違いの話をしたり。「最近大学の人、特に助教の人と話すとみんな雑用が多いという愚痴を言う」とのことだが、そう思うと NAIST の、というか松本研の助教は雑用フリーでよかったなぁ。NAIST助教は天国に一番近い場所、という話を何回か聞いたことがあるのだが、出てみて納得。学生の数が多かったので、論文添削シーズンは大変だったけど……。NAIST助教から他の大学の助教に転出する人だったか、その逆のケースだったかのとき、松本先生が「NAIST助教ほど負担が低い助教はないので、他の大学で働いてみたらNAISTのありがたさが分かるのでは」というようなことをおっしゃっていたの、今ではよく分かる。(もっとも、大学院しかないところの助教はどこも同じような感じではないかと思うが)

とはいえ、首都大でも、自分に関しては雑用の負担が大きいという印象はなく、単にミーティングや〆切がしょっちゅうあったり、事務手続きが面倒という感じで、割と恵まれているのかもしれない。ただ、助教の人は週2回実習や実験の担当があって、ちょっとかわいそうな気もする。NAISTは教授:准教授:助教=1:1:2なのに、首都大は2:2:1なので、助教にそういう仕事が回りやすいのではあるが……。部屋も個室ではなく学生と同じ部屋だし、首都大の博士号を取ってそのまま助教になる人も少なくないから、学生にとっては話しやすい先輩のような感じでいいのかもしれないけど。

帰り、辻井先生と少しだけお話しし、「で、新しい大学はどんな感じなわけ?」と聞いてもらう。数年かけて慣れていく感じかな〜。NAISTで5年間いた研究室で助教になったときですら、慣れるまで1年かかったし、今回はなにからなにまで新しくなったので、3-5年くらいかかるだろうな〜。

ホテルに着いたら他の人はバーで少し飲んで行くそうだが、翌朝4時起きだったので遠慮して部屋に戻る……。次来るときはもっと余裕をもって来られるようにしたい。