研究室のメンバーは NLP 若手の会シンポジウム(YANS)参加でいないので、静かな月曜日。
お昼はうちの研究室の受験生とランチ。すでに合格しているのだが、これから NAIST も受けるということで、アドバイスをしたりする。研究室の座席的にはうちに来てもたぶん大丈夫なのだが、学生数が多いと十分な指導ができないので、他に行ける人は行った方がいいのではないか、と思うのである(内部進学の人は、言語処理の研究をしたいなら研究室を移るメリットがデメリットを上回るので、そのまま進学してくれるといいのだけど)。
その過程で最近読んだ以下の本「研究者としてうまくやっていくには」を紹介した。

研究者としてうまくやっていくには 組織の力を研究に活かす (ブルーバックス)
- 作者: 長谷川修司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 新書
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特に自分のことを振り返ると、助教のときは新しく言語教育の研究グループを立ち上げて研究しており(というか、勝手に学生がまとまっていき、自分がなりゆき的に面倒を見ていただけだが)、学生も20人くらいを特に問題もなく見られていたので、「同じ学生20人の面倒を見るなら、松本先生の下でやっていると思われるよりは、自分で研究室を切り盛りしたい」と思っていくつか公募に出し、結果的に首都大に来たが、准教授になってみたところ、想像していた以上に勝手が違って、最初は戸惑ったりしていた。
たとえば、講義が増えるのは想定していたが、最初の1回目は資料作成とかなんだとかで授業の時間の何倍(10倍くらい!)もの時間とエネルギーを取られるのは予想外だったし、研究費が全然獲得できなかったり、事務書類がありえない量あったり、受験生の対応が思ったより大変だったり、先輩がいない状況での研究がとんでもなく難しかったり、「自分は松本先生の下でぬくぬくとやっているわけじゃない」と思っていたが、そんなのは本当に思い上がりで、まさにぬくぬくとやらせてもらっていたのだなぁと思う。松本研で助教をしていたときと同じくらいの学生数がいるが、研究室の学生に使える時間が NAIST にいたときの1/3〜1/4くらいで、自分の研究能力を少なくとも3倍にブーストしないと、全然追いつかないのである。(しかも、新しくやる事務書類作成タスクは、特に得意だというわけでもない)
とはいえ、今から前の生活に戻れるわけではなく、今の生活は今の生活で楽しくやっているし、これはこれでよかったと思うのだが、自分の人生でもう少し助教の期間が長かったらどうだっただろうなぁ、もう少し(狭義の、論文を書くという意味での)研究能力を伸ばすことができたかなぁ、とは思ったりする。
夕方は研究費の申請書類を書いたり。事務処理能力のなさを露呈している……。