日本の大学でも優れた研究環境を作れる

今日はNAISTで[twitter:@togiso]さんと[twitter:@shirayu]くんの公聴会があるので、朝から新幹線。ちょうど[twitter:@tomo_wb]くんが大学に行く時間に近かったようで、高の原まで迎えに来てくれた。東から来ると大学までの足に困るので、送ってもらえるとたいへんありがたい。

大学ではみんなの様子を見たり聞いたり。今年度来るのは3回目だが、過去の2回はいずれもほとんどゆっくりできなかったので、今回は多少話せてよかった(といっても日帰りだが)。結局1年間助教が1人不在の状況でずっと来たようで、博士の学生たちが修士の学生の面倒をだいぶ見ているようである。教えることで学ぶことも多いので、結構なことである。ただ、教えることで満足してしまって(教わった側はすぐ伸びるので、やりがいを感じやすい)、研究をしないのは本末転倒なので、研究が進まなくなるくらいなら研究してくれた方がいいと思うが……。と、ここまで書いて、これは自分のことでもあったかと思ったりする。

午後は公聴会が2連発。公聴会は回数が少ないので、現在博士の学生や、進学予定の修士の学生も来ていて、けっこう人が多かった。12月開催の公聴会だと博士論文の提出まで時間があるのでいろいろコメントできるのだが、1月開催の公聴会だと博士論文の提出まで時間がないので、あまり大掛かりなことは言えないのが難点(それを条件にすると条件がクリアできない恐れがある)。

公聴会後、松本先生のお部屋で1時間ほど雑談。松本先生とお話しするのは国際会議に行ったときなど海外でお会いしたときが実は一番多いのだが、奈良でお話するのは久しぶり。松本研を離れてたった1年だが、だいぶ昔に離れた気もする。それくらい、この1年間はいろいろあったということだろう。

松本研は間違いなく世界に誇れる水準の研究環境だと思うし、今でも大学院の進学相談を受けると松本研を勧めることも多いのだが、自分の研究室も広く受験生にお勧めできるような環境にしたいなという気持ちを新たにした。去年はできたばかりで、今年はまだB4・M1・M2のフルメンバーが揃っていないのだが、こういう環境でも来てくれる人がいるのは嬉しいことだし、いま自分が持っているものは全部学生にあげたいと思うのである(そこから先は、よいと思ったものを次の人にバトンタッチしてもらえれば)。

以下は松本研で去年の3月に修士号を取り、夏からジョンズホプキンス大学に行った keisuke-sa くんの話だが、自然言語処理では有名なジョンズホプキンス大学と比べても(一般的にはジョンズホプキンス大学は医学で有名)、NAISTは引けを取らないという話。(北米にある、というのはかなり大きなアドバンテージであるのだが、そういう地理的な問題を除けば……。地理的な問題はかなり大きいが、こればかりは仕方ない)

あと、Kevin さんとも小一時間お話する。やっぱり一線で研究している人と時々は話して危機感を高めることも大事である。あと、ちょうど Kevin さんが NAIST に来てから入学した学生が今回卒業するそうで、まさに1期生の卒業の時期のようである。NAIST助教になったとき、助教になる前に入学した人たち(@shirayu くんたちの代)と、形式上は教員だが先輩としてしか見られず(自分も教員風を吹かしたいわけでなく)、距離感をつかむまで時間がかかったのだが、同じような感じだろうか。自分に関しては、NAISTでそういう経験をしたにもかかわらず、首都大に来るときほとんど活かすことができなかったのが悔やまれる。知っていてもはまってしまう罠である。

帰り際、日帰りの予定だったので学生の人たちの研究の様子を足早に聞いて立ち去ったが、せっかくなので一泊してもよかったかな〜。