卒業生がいつでも遊びに来たくなるような環境

午前中、昨日行った三鷹の不動産に電話して武蔵境の物件を見せてもらう。行く場所は分かっているので武蔵境で合流すればいいと思うのだが、三鷹に行ってそこからタクシー。意外と近いということが分かるという発見はあったが、これが経費として手数料に上乗せされているのかと思うとなんとも言えない感じである (自分で直接払うわけではないのだけど)。

2箇所見せてもらって、家賃的にもスペック的にも1つ目のところが妥当な気がした (でもそれなら立川でキープしている物件で2年くらい過ごしたほうがいいかなと思った) のだが、2つ目に見たところが予想外によかったので、心変わりして即決。50m^2の1LDK、南向きの角部屋、閑静な住宅街で、武蔵境駅まで徒歩13分 (たぶん実際はもう少し時間がかかりそうで、かつ東小金井駅も同じくらいの時間で行けると思われる)。前後左右に緑が溢れているのがよい。学部生のとき馬術部にいたので、ICU の近くにある三鷹の馬場に行くため、毎朝自転車で通っていたあたりなのだが、こんな形で再会するとは……。どんな人が住んでいるのかと思っていたが、こういうわけやね。

印鑑証明や住民票がないので本申し込みができず、また来週末に来ることになった。あと収入のチェックが予想外に厳しくて電話越しに10分以上交渉する羽目になった。会社員で会社を変わらず転勤になるなら話は早いのだが、大学にいると転勤とともに基本的に雇用者が変わるので、大変ややこしいことになるのであった。

午後は SEG の世界史クラスの同窓会。参加するのはかれ これ3回目で、3年に1回くらい参加している気がする。お世話になった増谷先生はいま明治大学で教鞭を取られているそうだが、SEG でも20年間世界史の授業を教えてらしていたので、いろんな時期の教え子が食べ物、飲み物を持ち寄っていろいろ話す会。今回は夫婦で参加したのだが、妻の話にもみなさん興味を持ってくださったようで、なんだか嬉しいことである。いろいろおもしろい人たちばかりで、なんだかたくさん笑った気がする (こういう集まりに行くと、自分は全く普通の人である)。

SEG のこの世界史のクラスがよかったのは、大学受験のための授業ではあるのだが、別に大学受験を特に意識したようなことは教えず、歴史というものを通じて世界について考える、という姿勢を教えてくれたことかなと思う。実際増谷先生自身本職は大学教員で、大学でも教えるかたわら SEG でも教える、という感じだったようだし……。

あと、OB/OG がふらっと授業に来てくれて、授業のあとに残りたい人が残って喫茶店に移動して大学での話を聞いたりできたのもおもしろかった (自分自身、何回かそのようにして遊びに行ったこともある)。増谷先生自身、そうやって卒業生が訪ねてきてくれるのを歓迎していたし、「わたしの授業の卒業生は、いつ遊びに来てくれてもいいの。授業料は取らないの」と言ってくれていたことを思い出す。

昔話をしていて、増谷先生が「SEG で教えていちばんよかったのは、自分の子どもと同じくらいの歳の人たちと一緒にいられる経験ができること」とおっしゃっていて、確かによく「そんなに勉強して大丈夫? 身体壊さない?」と生徒に言っていたのを思い出した。自分なんかは真面目に勉強するタイプではなかったのでそんなことを言われたことはないのだが、確かに SEG に通う生徒はそう言いたくなるような人も少なくなかったなあ。あと「センター試験の勉強なんて12月までやらなくていい」っておっしゃっていたそうだが、言われたせいかどうか分からないが確かに自分もセンター試験の勉強をした記憶がない。他の人もセンター試験がとっっっても苦手だったという話を披露してくれたり、生徒にも似ている人が揃っていたのであろう……(笑)

増谷先生は大学教員としては実は一度も常勤にはならず、ずっと非常勤だったそうだが、それでもいろんな学生と一緒にいられて楽しかった (今でも楽しい、たとえば1年生で教えた子たちが3-4年生でまた自分の授業を取ってくれて、成長が見られたりとか)、という話をされていて、自分もそうありたいなと思った。任期制はいい面と悪い面とあると思うが、任期なしのポストがなくても、ずっと学生と楽しく研究ができるような感じで働けたら幸せだろうなと思う。(任期なしのポストがあったとしても、そのように働けない職場だったら、そこには行かないほうがいいんだろうなと。)

他のいろんな大学における助教の話を聞いたりして、大学教員も大変だな、と思ったり……。「大学の仕事で嫌なことってないんですか?」と言われて、研究室の学生数が多くて大変 (これは贅沢な悩みで、単に時間がかかるだけで嫌であるわけではない)、ということくらいしか思い当たることがないので、やっぱり NAIST 松本研の助教はありえないくらいよい職場なんだと再確認。ステマだが 松本研の助教の公募、ガチ公募なので、該当する方は応募されるとよい。ちなみに「自然言語処理、特に、Webデータマイニング機械翻訳、言語教育等の研究と教育に熱意を持って取り組む方。」の具体的に名前が挙がっているテーマは、「できたらありがたい」という程度で、これができないとダメ、という類いのものではないので、もし「このテーマの研究をしていないから厳しいかも」と思う人がいたら、それは気にしないでよいと思う。(あと、機械翻訳はすでに Graham さんと Kevin さんがいるし、言語教育は松本先生が引き継いでくださるそうだ)