博士号取得直後は5年くらい武者修行してもいいのかも

住んでいる団地の交流会があったはずなのだが、完全に忘れていた。行っても来年3月には引っ越すだろうけど……。

午前中、成田から送っていたスーツケースを受け取る。今週は時間がなさすぎてどうやっても受け取れなかったのである。しかし福山通運だとウェブで再配達依頼ができなくて、電話しか受け付けないのだが、この電話がなかなかつながらない。さすがに電話くらいちゃんとつながってほしいのだが……。

経由で Researchmap の 改正労働法は大学にどう影響を与えるか? という記事を知る。これは良記事。5年間継続して雇用契約を結んでおり、1回は契約を更新すると、労働者が期間の定めがない雇用にしてくださいと言ったらせざるをえない、というのが法改正の内容なのだが、大学では若手のポストは任期の定めがある職がほとんどなので、この制限にかかる人が多数出ることが予想され、任期なしで採用しなければならないくらいなら、5年で雇い止めをする方向に動いてしまうのではないか、というのが現在の懸念である。

2ページ目以降の QA が、実際大学内でよく話題になっている (というか松本先生がことあるごとに話す) 話で、TA/RA の期間は通算されるのか? とか、ポスドクはどうなるのか? といった話題に関する議論が書かれていて、大変参考になる。特にポスドクに関しては、いまのような大学と研究者が雇用契約を結ぶ形ではなく、大学から研究者に業務委託する形になる (これは雇い止めの問題は生じない。事務職員は業務委託できないが) のではないか、というのは、なるほど、と思った。自分も委託研究をしたことがあるが、確かに研究に関しては委託の形でやるのがすっきりするし、ポスドクはプロジェクトの研究費で雇うことがほとんどなので、妥当だと思う。いまも日本学術振興会の特別研究員はそのような形になっているし、ポスドクが全てその形態になればいいのではないかな。年金や保険は自分で国民年金国民健康保険に入ることになるだろうし、福利厚生の低下は免れないが、その分お給料に反映させるとかで……。

ついでに Researchmap の 東大の五十嵐さんのインタビューを読んだりする。最後のコラムにぐっとくる。

20〜30歳ぐらい年上の方と話していて、時々違和感を感じるのは、今の若者はいいよね、誰でもパソコンを持っているし、性能も高いので何でも出来る。昔 はひとつプログラムを書いたら、一晩待たなければ結果が出なかった……と。けれどもその頃はコンピュータが使えただけで、特権的なことだっただろうと思う んですね。ある意味では、何でも新しいから何でも研究になった。今やみんながパソコンを持っている。パソコン上で何かやってみたいと思って調べてみたら、 だいたいもう既にあるし、売られていたりするわけです。

そういう環境下で、学生がコンピュータで新しいことをやるというのは、結構たいへんだと思うんですけれどもね。ただこちらからテーマを与えるよりは自分で考えなさい、と。当たり前かもしれないけれども、その練習が一番大事だと思っています。

いまの世の中はデータもあるしツールもあり、プログラムを書く方法論も確立してきているし、そういう意味では新しいことをやるのは大変なんだなと。大規模データの処理もすでにコモディティ化しているし、自分でないとできないことをしないと。