自分にとって最高の研究室を探そう

今日から妻がしばらく東京に行くので、京都駅まで見送り。観光客も落ち着いたかと思ったが、新幹線のプラットフォームに出てみると、指定席は修学旅行生で埋め尽くされている……。EX予約のポイントでグリーン車を取ってあげればよかったかと思ったが、後の祭りであった。無念……。

昼は[twitter:@S_Sekine]さんが来訪。楽天技研NYの取り組みについて紹介してくれる。データがあるというのはそれだけですばらしいことだ、というお話、自分もウェブマイニングをやったりしていると、ときどき思うのだが、これは大学にいるとどうしようもない類のことなので、大学でないとできないようなことを逆にするべきかなと最近は思っている。来年の夏にアメリカでインターンシップをしたい人は12月から2月にかけてが応募シーズンで、動くのは早ければ早い方がいいので、行きたい人はしかるべき人にコンタクトを取るとよい。(これだけ繰り返しても、ほとんどの人はアクションを起こさないのであるが。) 

だいたい「海外に行きたい・働きたい」と思って1回で希望が叶う人は稀で、あっさり書類で落とされたりして1年かけて捲土重来を期して挑戦して最終的に行きたい場所に行けた、というのは珍しくないので、本当に行きたいと思ったらとりあえず出す方向で実際に書類を準備したりしてみるといい。「応募したらあわよくば1回で通ってしまうんじゃないかな?」という期待もあるだろうが、1回で通らないほうがより深く自分について考え、何が自分の人生で大事だと思っているのか見つめ直すことができるので、落ちてもそこまでくよくよせず、何回もトライすると自ずと答えが見つかると思うのである。

夕方はSkype会議。やはり直接話すとだいぶ違うので、隔週くらいでミーティングを入れることに。かくしてミーティング三昧になるわけだが……。この1ヶ月で増えたミーティングと減ったミーティングがあり、トントンかな。Windows がさっと動かせる環境がないと効率が悪くて仕方ないのだが、やはり Windows マシンを1台用意しておいたほうがいいのかなぁ (NAIST に来てからほとんど Windows は使っていないのだが)。

先日も博士課程進学について書いたが、博士課程進学という決断というエントリも教育的ですばらしい。特に自分が感銘を受けたのは以下のところ。

学位取得後すぐに,ボスが留学に行けと言ってくれたため,文科省の在外研究と学内の派遣制度に応募しましたが,いずれも不採択でした.そんな私に対 して教授は「海外留学は若いうちに行かないと意味がない.必要なだけ研究室のお金を使っていいから,すぐに行け.300万円で足りるか?」と檄を飛ばし, 私が「はい」と答えると,それだけで留学することが決まりました.実際に援助していただいた金額は覚えていませんが,米国オハイオ州で10ヶ月間,リッチ な海外勤務企業人に紛れて貧乏大学人生活を送りつつ,貴重な経験をさせていただきました.当然ながら,助手である私が不在の間,教育や事務の負担を教授と 助教授で分担して下さっていたわけです.何も文句を言わずに快く送り出すどころか,研究室の軍資金まで費やしたという教授の話は他に聞いたことがありませ ん.

このような経緯で今の研究者・教育者としての私があるので,その教授には本当に感謝しています.このため,学生には,「縁を大切にしろ」,「最高の研究室を探せ」と繰り返して言うわけです.たとえ伝わらなさそうであったとしても.

自分がすでに学生でないので、学生に向けた部分ではなく学位取得後の話に共感するバイアスがかかっているのかもしれないが、ここまで快く助手を送り出してくれる教授・助教授というのはすごいなと思うのである。自分も教員になってからはほとんど外に出られていないが (これは大学の話というより自分の個人的な事情)、学生のときは松本先生・乾先生は本当に快く自分が海外に行くのを送り出してくれたし、なにも言わずに行かせてくれただけでも感謝している。また、そもそも最初に海外にインターンシップに行った Microsoft Research は松本研究室にいたからこそチャンスが巡ってきた訳で、他の場所にいたら存在すら知らなかった可能性が高いし、やはり縁は大切だし、最高の研究室を探すのは大事だと思うのである。