ソーシャルメディアを対象にしていても述語項構造解析に戻ってくる

午前中、午後から研究発表のためにいらしていた[twitter:@hitoshi_ni]さんと、インドの話をする。何が起きるか分からないが、期待値が低いのでそこまで動じないかもしれない。

松本先生がやって来て、来年度以降の研究用の計算機システムの話をしたりする。MapReduce できるようにするのだとか。けっこうメンテナンスが面倒くさい気がするのだが、きっとなんとかされるのであろう。そういうののメンテナンスが好きな学生がいればよいが、時間が取られる割には研究成果につながらないので、スタッフが対応することになりそうだが……。とりあえず自分は今年度12月に来るシステムを安定稼働させ、現行のシステムからスムーズに移行させることが目標である。

お昼は@hitoshi_niさんと松本先生と3人で学食へ。述語項構造解析や意見情報マイニングの話をしたりする。これもなんとかしなければ。デモシステムの世代交代をする必要があるのだが、デモを作るのはこれまた研究として評価されにくいので、こういうのが好きな学生がいればよいのだが、そうでないとなかなか。

本当は CICP (NAIST独自の制度で、学生が提案したいくつかのプロジェクトに年額50-100万円程度支援して、好きな開発・研究をしてもらう) みたいな予算がついてそれなりに本気で研究と開発を両立させたシステムができればよいのだが、研究的なポイントがあるシステムはM2以上でないと難しいだろうし、M1に経験を積んでもらいたいという趣旨からはちょっとずれる。M1とそれ以上のメンバーとの混成チームで、プロジェクト管理するのは M2 (以上)、というのがちょうどいいのかな。

昼過ぎ、研究発表会。@hitoshi_ni さんに加え、海外インターンシップでこれまで発表できなかった[twitter:@keiskS] くんと[twitter:@shirayu] くん。本来所属する研究室以外の助教の人が司会をするのだが、今回はイレギュラーな日程なので、自分が司会をすることに (Kevin さんは NIPS に行っていてちょうどいなかった)。松本研の発表者だけであったせいか、聞きにくる人も関先生を除いて研究室のメンバーばかりだったが、いつも聞けない話を聞くことができてよかったのではないかと思う。

連続して言語教育勉強会。@keiskS くんの修士論文目次発表と、[twitter:@mitsuse_t] くんの進捗報告、そして [twitter:@tomo_wb] くんの COLING ポスター発表練習。最近横長で発表させる国際会議が増えているのだが、日本では縦長のポスターが多く、流用しにくいという問題点がある。

ちょっと早く終わったので、学振のポスター面接の発表練習もする。発表4分質疑6分なので、あまり細かいことは話せないと思うのだが、聞く人がどういう人かは意識した方がいいかもしれない。最近添削する論文やスライドを見ると、「何をやったか」はちゃんと書かれているのだが、「なぜそうしたか」や「どのようにやったか」がすっぽり抜けていることが多い。

「(いろいろやっていたらたまたまうまく行く組み合わせが見つかったので) 素性をこうしたら精度が上がりました」というのは、エンジニアリングとしては別にかまわないのだが、研究としては「そうしたらなぜうまく行くのか」「他の可能性は考えられないか」といったことを地道に詰めていくことが (場合によっては精度を向上させることより) 重要であり、無邪気に「今後の予定はもっと精度を向上させることです」と言うのは研究する態度ではない。そう言いたくなったら、精度を向上させるために思いつく方法をいくつか考えて「今後の予定はXXXという問題を解決するためにYYYという手法を試してみたいです」と答えるとよい (エラー分析をしたり、少なくとも精度の数字だけではなく、何ができて何ができていないか実例を見ていないと今後の予定は言えないので、必然的に事例を見ることにもなる)。

さらに連続してソーシャルメディア解析勉強会。進捗報告x2。実験結果の進捗があるとやはり興味深い。予想通りに行っていないこともままあるが、それも含めて試行錯誤するところが楽しいのである。

[twitter:@wk_kiyoshi]くんが[twitter:@cacaho]さんの

  • Ryohei Sasano and Sadao Kurohashi. A Discriminative Approach to Japanese Zero Anaphora Resolution with Large-scale Lexicalized Case Frames. IJCNLP 2011.

を紹介してくれる (彼のタスクが @cacaho さんのタスクに若干関係しているため)。じっくり読んだのは初めてかもしれないが、いろいろ試されていて勉強になった。「ソーシャルメディア解析勉強会」と名乗りつつ「意味談話解析勉強会」を引き継いでいるのだが、まさしく以前意味談話解析勉強会で扱っていたような内容の論文紹介をしてくれて、とてもよい。