安定を目指さないという研究者のキャリアパス

急に寒くなった。明け方は布団が2枚ほしくなるくらい。

昼間はやたらめったらやることがあってしんどい。

来週中間発表練習らしいので、M2 の方々の研究の相談など。外部発表済みの人はそれをベースに作ればよいが、そうでない人はそろそろ実験したりしないとまずいんじゃなかろうか。今年は11月に目次発表、12月にドラフト提出するらしいし (いつもより1ヶ月前倒し)。

夕食は松本先生たちと Riedel さん歓迎会に行く。例のごとく、きのこ料理のお店。 割合ここの料理は好きなのだが、こういう機会でもないと来ないので、ちょうどよかった。アメリカと日本の大学の違いとかについて聞いたり話したりなど。なんだか疲れてくると英語が出て来なくなってくるのだが、大丈夫だろうか……

夜は @Wildkatze くんの博士論文最終審査お疲れさま会。コイバナ (?) とか博士論文の謝辞をどうするかという話とか、研究スタイルの話とか。自分も博士論文の審査委員に MSR の Patrick Pantel さんに入ってもらって、いろいろと研究者としての心構えとかなんだとか教わったのだが、こういう形で研究者としての悩みごとを相談できる人がいてくれるというのはとても素敵なことだなと思う。NAIST でも海外の人に博士論文の審査委員を頼んだら研究科が旅費を出してくれるという制度があったのだが、どうやら資金がなくなってしまい、制度的には消えてしまったようだ (研究室単位でなんとかすることはできる)。この制度はなんらかの形で残してほしいけどな〜。

アメリカの大学では「テニュアトラック」と言って、任期なしの教員になるための競争が激しい。日本でも北陸先端大電通大のようにテニュアトラックの導入に踏み切った大学があり、任期付きで助教や准教授を採用し、研究費など十分に与えた上で数年間自由に研究させ、任期なしになるための資格審査にパスすれば晴れて任期なしになれる、という制度がある。うまく行っているかと言えば日本ではまだ過渡期であるとしか言いようがないが、そもそも奈良先端大ではテニュアトラックが存在せず、任期 (自分の場合は5年、再任されればさらに3年、合計8年) が終われば出て行くしかない (准教授以上は任期がないので、任期なしになりたければ准教授になればよい、ということであるが……)。アメリカでも、安定して大学で研究したければ、テニュアトラックのところに行ってテニュアを目指すのかなぁと思いきや、Riedel さんは別にテニュアを目指しているわけではなく、研究ができるならなんだっていい、というお話。そうかぁ。

自然言語処理もなぜかこんなに日本の学生の間で人気である割には、大学の教員のポジションが増えているわけではないし (スタッフの数が増えないのに学生の数だけ増えても……)、ずっと特任研究員でいられるようなキャリアパスがあればいいのに、日本の社会は35歳を超えると一気に身動きが取りにくくなるという制度なので、どこかでは決断しないといけない (特に年齢が高いほど再就職しにくくなるという制約により、夫婦共働きだと絶望的に選択肢がなくなる)。

こればかりは一朝一夕に変わるものでもないだろうし、変わってほしいなぁと思いつつ、自分たちが子育てをする時期にはまだ変わっていないだろうから、この中でできることをして、次の世代はこんなことで悩まないように変えられるところを変えていきたい (松本先生が子育てに理解あるのは非常に助かる)。

明け方みんなでジョイフルへ。ryu-i さんたちがいたころはよくこうやって夜中から明け方にかけてご飯食べに行ったりしていたなぁ。懐かしい。仕事が始まってからは、なかなか行く機会がないのだが……