持続可能な研究室生活を目指して

研究室に来てみると、Riedel さんがふらっと訪ねてくる。どうもランチを食べることになっていた @Wildkatze くんが見当たらないらしい。たぶん昨日の疲れで寝ているのだろうから、外に食べに行きましょうか、と車を出そうとしたところ、無事合流。3人でへ。

結婚生活とか子育てとか、こういうのは国を超えて問題なんだな〜。子育てしやすいのは圧倒的に関西 (奈良〜京都エリア) なのだが、仕事は関東のほうが見つけやすい。悩ましい。子どもが産まれたら、数ヶ月以上の海外生活の機会は自分の人生ではもう巡って来ないような気がする。せいぜい (国際会議のついでに近くを回ってくるとかの) 数週間かな……

午後は Riedel さんによる BioNLP の話。タスクの説明をけっこう詳しくしてくれたので、この分野に馴染みがなかったが興味を持てた。昨日の夜も Riedel さんは「Dual Decomposition が出たらみんな Dual Decomposition を試すとか、新しい手法や流行のモデルが登場したら、タスクの性質やデータの特徴を考えずに適用しましたという安直な研究が多いが、それはよくない。自分が解きたいタスクを深く理解し、データを見て、重要な問題だけど誰もやっていないことを、まっとうなやり方で解けばいいだけで、それができている研究者が高い評価を受けているんだよ」と @Wildkatze くんを諭していたが、やっぱり自然言語処理は (機械学習分野の人は違った見方かもしれないが) データなりタスクなりがまずあるわけで、手法やモデルだけとっかえひっかえ出てくるが、まず自分が解きたい問題をちゃんと明らかにして、大きいが未解決の問題から順番にタックルしていく、というのが工学的な王道の態度なのだと思う。

終わったあと、@t_hermanni さんらとしばし廊下で雑談。松本先生がしきりに NTT の人の給料を聞いていたが、確かに自分が就職活動のときに「何歳でこれくらいもらえる」とこっそり聞いた金額からすると、大学でもらえるお給料というのは (基本的に公開されているので誰でも調べれば分かるのだが) けっこう少ないと思う。とはいえ、奈良で生活するぶんにはこれで困らないのだが…… ryu-i さんからも聞いたが、東京でも奈良でも恐らく助教がもらうお給料は同額で、都会に住んで奥さんが専業主婦だとちょっとつらい。いま自分たち夫婦は妻が東京・自分が奈良で、妻は学生なので、全く貯金ができない。同居できるようになるだけでだいぶ違うのだが……

今日も打ち上げをやるとかいう話が昨日出ていたが、ちょっと身体がしんどすぎるので8時に帰宅。「忙しい」と外から見える割には自分は忙しくなく、なんで忙しいように見えるかというと、〆切直前を除くと研究室に滞在する時間は1日8時間を上限とするように努力しており (元助教室、学生の滞在時間と滞在率やたら高いし)、8時間で全部終えようとするとけっこう大変なのである (あと家に帰ったらほとんど iPad しか使わないので、仕事ができない)。これも来年以降のための予行演習で、1日12時間仕事をする前提で成果を挙げられるようになっていても、同居が始まったらすぐ継続不能になるし、自宅ではキーボードを叩くこともやらないつもりなので、子どもが産まれても続けられるようなペースの仕事の回し方を試行錯誤しているところなのである。

なんだか @syou6162 さんを筆頭に、松本研は根を詰めて研究する人が多いのだが、そういう人は毎年身体のどこかが壊れていくという感じなので、ちょっと気をつけたほうがいいのかもしれない。自分も身体は丈夫なほうだと思っていたが、助教になってからあらゆる「研究者病」が順番に出てきている感じ。というか、これまで問題がなかったということは、真面目に研究していなかったということかもしれないが……。