内容は分からないが気持ちは分かる、なんてのはごまかし

弟と電話していろいろ税金について聞く。今回青色申告とか白色申告について調べたが、話していて、自分はこういう話を誰か(というか兄弟)に聞いてほしかっただけなのかな、と思った。自分は人には興味があるが金や物には興味がないので、なかなか税金について調べたりしないからかな……。

NAIST図書館で買ってもらった「東大が倒産する日」

東大が倒産する日 (ちくま文庫)

東大が倒産する日 (ちくま文庫)

を読む。対談形式でおもしろい。ちなみにタイトルは内容とほとんど関係ない。ここ20年の大学をまつわるいろいろな話の放談である。大学院と学部の関係とか、学生と教員の関係とか、任期制や業績評価の話とか。京大の数学の試験をどういうふうに作っているか、そしてどういうふうに採点しているか、という話も初めて聞いてなるほど〜、と思う。

もっと授業にもぐりなさい、特に早稲田から東大に聞きに行くのに東大から早稲田に行かないとか、そういうのはいかん、というのとか、全くその通りだと思う (笑) 自分も定期的に通ったのは東工大と東京水産大のゼミ (代ゼミの授業もよくもぐっていたけど)。奈良に来てからも機会があったら近隣の大学のゼミに行きたいと思っていたのだが、ちょっと外に出るのが大変すぎて行かなくなってしまった。

自分も自分の授業は誰でももぐってくださいな、と思うのだが、奈良だとちょっとみなさんふらっと来るには難しい距離だろうな……。インターネット中継とか録画とか、ライブでないのはあまり好きでない (向こうからこちらは見られてもこちらから向こうは見られないし、リアクションも得られないし) のだけど、どちらかはやったほうがいいのかな〜と思ったりする。

いろいろと小話が対談の中に書かれていて楽しめるのだが、一番印象に残ったのは、全共闘の時代学生たちと話していて、中年が若者に対して言ってはいけないのは「内容は分からないけど気持ちは分かる」という言葉で、これを言うと全く信用がなくなる、中年はちゃんと若者の言っていることを理解した上で、「内容は分かるが気持ちは分からない」と言わないといけない、という話。世代が違うのだから気持ちが分からないのは当然で、そこをごまかして、内容について知ろうとも歩み寄ろうともしないのはよろしくない、という話。自分も「内容はよく分からないけど、言わんとしていることは分かる」というようなことを言ってしまうことがときどきあったので、気をつけようと思った。

最近図書館に行くと「いつも推薦ありがとうございます」と言ってくださって、むしろこちらが恐縮なのだが、学生の人も教職員の人も読んでおもしろい本、ぼちぼちと紹介していこうと思う。