フクシマ・ノート (前篇)

今日研究室では新入生歓迎バーベーキューなのだが、新入生歓迎会ゴールデンウィークの週の金曜か土曜になると予想して飛行機のチケットを予約していたので、今年は新入生歓迎には行かれなかった (ま、今年はみんな元気だしあまり心配はしていない)。

8:40伊丹発の便だったので、2時間前に出れば30分前に着くかと思って6:40に出たのだが、なんばまで行ってちょっと迷っていたらリムジンバスがちょうど数分前に出てしまったらしく、次のバスを待っていたら間に合わなかったので、タクシーに乗る。高速代も入れて5,700円だったが、そこまで高くなかったのでほっとする。乗り遅れて2人ぶんのチケットが消えることを考えると、安いものである。

伊丹から福島までは約1時間。大阪東京間とほぼ同じ。あっという間に到着。

実は福島空港は福島市からはだいぶ離れていて、郡山市いわき市の中間くらいにあるため、福島市(福島駅徒歩5分)に直接行く手段がない。火曜日から乗り合いタクシー(片道1人2,500円)が復活するという情報を得ていたので、日曜日でも使えないかと待っていたのだが、結局日曜日は使えず、レンタカーを借りようかと思ってカウンターに行くと、予約していない人は当日返却待ちで、10時に着いたのに最短で12:30まで待つか、喫煙車かしかない、と言われて断念。

いろいろあって1時間バスを待ち(飛行機が到着する時間帯しかバスが運行していないので、1-2時間に1本しか動いていない)、郡山へ。福島空港はほとんど人がいなかったので、みんな県外に脱出しているのかと思っていたが、郡山はとんでもなく人がたくさんいてびっくり。これ、奈良なんかよりはるかに栄えているのだけど……。

郡山から福島までは新幹線で1駅15分で、1時間に1.5本程度運行しているのだが、片道3,000円かかるようなので、フードコートでご飯を食べ、800円で行ける在来線(JR東北本線)でのんびり(といっても40分で着く)。福島は県庁や裁判所がある行政都市なのでそこまで栄えておらず、あとは日本海側に会津、太平洋側にいわきがあるくらいで、福島県では郡山がいちばん栄えているそうだが、郡山周辺も駅1つ離れるだけで一気に田園風景。なんとも心が落ち着くものである。

福島駅に着くと、こちらも普通。むしろ東京は節電モードで暗くなっているのに、郡山も福島も全く節電など意識しておらず、煌煌と照明が点いている (笑) 来る前はどんな様子か分からなかったけど、来てみて日常生活は震災前と変わっていないようで安心した。

部屋に行ってみると、机の上のものが少し落ちていたくらいで、壊れていたものがあるわけではなく、ほっとする。数年前にできたばかりのマンションなので、作りがしっかりしているのかもしれない。

2時から6時くらいまでひたすら荷作り。段ボール19箱。ちょっとした引っ越しなのだが、引っ越しよりは個別に配送した方が安いそうで、クロネコヤマトと佐川とJPエクスプレスにそれぞれ電話してみたが、どこも段ボール19箱は明日の午後まで受け付けてくれないようである。

聞いてみると、このあたりは宅配業者はトラックではなく普通の乗用車で配達に来るらしく、段ボール19箱を1台の車で収容できるスペースがないらしい。福島と郡山の間を新幹線で移動することにすると13時まで福島駅周辺にいられるのだが、15時の飛行機で帰るので、これはまずい。困った。

仕方ないので福島駅前のトヨタレンタリースまで行ってみると、明朝8時からプリウスが空いていて、福島県内は乗り捨て無料とのこと。ガソリンも平常通り給油できる (スタンドの前で列んでいたりしない) そうだし、電車から見ていて道路も壊れているっぽいところは一つもなかったし、プリウスならカーナビもついているだろうし、ということで福島空港まで車で行くことにして即決。高速代とガソリン代合わせて11,000円くらい。空いていてよかった。

マンションで寝てみたが、一度も余震もなく、いたって普通。NHKをつけていると、画面の周囲に普通は天気などが表示されるのだが、そこが「各地の放射線量」になっているのが「ここは原発があるんだ」ということを思い出させる。