選挙がない時期こそ投票を意識する

午前中起きて日記を書いたり。最近平日は時間がなくてなかなか書けない。

午後@jhirwinくんの実験についてさらに相談。悩ましいところである。人手実験デバッガーを名乗っていたが、最近あまりバグのありかを突き止められていないので、自信喪失中である……。(結局最後彼自身で問題を突き止め、解決していた。さすが)

先日書店でふと見かけて購入した「社会の真実の見つけかた」

社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)

社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)

がとてもよかった。「ルポ 貧困大陸アメリカ」などを書いてアメリカのサブプライム問題や教育問題に鋭く切り込んだ堤未果による岩波ジュニア新書だが、内容は全然ジュニア限定ではない。「自分が中学生だったら読みたかった本」であることには間違いないが、いま読んでも全然遅くない。

今回の震災で、日本でもメディアによる報道の問題について意識する人が増えたと思うが、この本のテーマは (1) メディアや政府の発表をうのみにしない (2) 政治を意識しよう、という2点。

ただ、それも声高に叫ぶのではなく、「数字の上では学校での一斉テストの点数は上がったと発表されているが、実際は受けたはずのないテストに満点をつけられていたり、教室で教員が生徒に答えを教えていたりしている」というような事例を紹介するとともに、単にそれが悪いと断罪するのではなく、テストの成績が悪いと学校が閉鎖されたり首を切られたりするので、そうせざるをえない事情もある、というような説明も詳しく、世の中分かりやすい白と黒だけじゃない、その背景にある問題はなにかを考えよう、という事例が満載。

政治についても日本では地方選挙が立て続けにあったのでタイムリーだったが、選挙のときだけ盛り上がるのではなく、選挙がないときこそが市民は政治家の動きを見ないといけない、ということを明確に書いている本は初めて読んだ気がする。若者は「どうせ政治家なんて自分たちのための政治はしてくれない」と言いがちだが、そもそも投票率も低ければ、投票したあと公約を守ろうが守るまいが、次の選挙ではそんなこと関係なく投票する人の意見を聞く理由がない、というのも納得。(このシステムがいいかどうかは別問題だが、こういう仕組みになっているし、ベストではなくてもこれが他のシステムと比較すると一番ましなのだろう)

堤未果の本どれも外れがないが、この本はこれまで読んだ本の中でもトップクラスに丁寧に書かれていて、かつ読者への眼差しが暖かい。ぜひ書店で見かけたら手に取っていただきたい本である。