makimoto was there. 10年前の @makimoto さんとその後

退職のお知らせということで、@makimotoくんがヤフーを辞めるという話を耳にする。次の行き先はベンチャーだそうだ。寝耳に水でびっくりのことである。

でも最近は小さな会社で生き生きと働いている人も多いし、転職するくらいだからきっと楽しい職場なんだろうなぁと思う(@makimoto くんに限っては前の職場に不満があったようにはあまり思えないし、次の職場がよほど魅力的なところなのだろう)。

ガラパゴス化する就活という記事を読み、なるほどなぁと納得。

昨今、就職氷河期で、何十もエントリーシートを書いて、御社が第一志望ですといいながら必死に就職活動をしている真っ只中の人たちに時々聞かれることがある。どうすれば採用されるんでしょうか。
例えば、プログラミングをまったくやったことがなくて、プログラマー志望です、と言われるとちょっと困る。学部は理工系でなくても、独学でプログラミングを経験し、オープンソースのプロジェクトでばりばりやっているというような人ならまだしも、それも経験がない。だけど、テンションはとっても高くて、人当たりも良く、営業とかやらせれば結構いいところまで行くのでは思ったりするような人が、プログラマ志望ですと言われても…。
わたしにとって、ぐぐっと来るのは、プログラマーになりたいのであれば、やはり学生時代なにかしらのことをやっていて、それがインターンでもバイトでも、あるいはオープンソースのプロジェクトでもなんでもいいのだけど、それなりにプログラミング経験があって、その実績を持っている人だ。勉強会に参加しているとさらに好感度は増す。積極的にLTとかいろいろ発表しているとさらに増す。githubでコードを公開しているなんていうことになると、もっといい。
プログラミングの基礎は大学時代に身につけていて欲しい。インドや中国の学生は大学時代にその程度の知識は身につけている。彼らは英語も日本語も中国語もできる。
コンピュータを学んだことがなくてソフトウェアの職業につこうという発想はガラパゴス化した日本の就職事情の反映かと思うが、それでは困る。会社も困るし、社会も困るし、何よりも自分自身が困ると思う。

情報系の仕事をしたい、プログラミングをばりばりする仕事に就きたい、とときどき相談されるのだが、全く同感で、プログラミングをばりばりする仕事がしたいなら、なにもあなたを止めるものはないので、自分でプログラムを作ってどんどん公開すればいい。逆に言うと、口ではプログラミングの仕事がしたいと言いながら、インターンでもバイトでもプログラミングの経験もなければ、オープンソースのプロジェクトにも参加していない、というのはちょっとアドバイスのしようがない。Google に入りたいのだけど、と言う学生さんがいたら、恐らくあなたのするべきことは(まだ github のアカウントがないなら github のアカウントでも取得して)毎日最低10コミットでも課してひたすらソースコードを公開していくことであり、学校の授業に出て単位を全部優で揃えました、エライでしょ、褒めてください、などということではない。(もちろん東大の情報のように情報系の教育がしっかりしたところではカリキュラムをしっかりこなすのも力つくと思うが)

なんてことを自分が言うのもおこがましい話であるが、学生生活は自分で自由に使える貴重な時間であり、何年かかけて自分の土台を作る重要な期間でもある。学生生活最後の1年前になってあわてても遅いし、やりたいこととこれまでやってきたことの整合性が取れていないのは、自分のやりたいことあなた本当に分かっているの? 本当にそれがやりたいの? (やりたいと言っている割には全然準備もしていないし、なにが必要かも調べていないし、本気かどうか分からない)という感じである。まだ学生生活がほぼ2年以上ある学生さんたちに言いたいのは、漫然と過ごすのではなく、3年後や5年後、そして10年後に自分がどういうことをしていたいか、そのためには現在なにをしていればいいか、1年後なにをしていればいいか、そういうことを逆算して考えてほしい、ということである。

@makimoto さんはそういう意味では「30歳までに大学院と大企業と小企業を経験する」と20歳のころ決めたそうで、やけに自信があるのはやはりそういうように自分の進むべき道を自分で決め、それにしたがって(他の人に惑わされず)進んできたかなかなと思う。人間どのように生きてもせいぜい80年かそこらしか生きられないわけだし、同じ生きるなら自分の好きなように生きたらいいじゃん、と思うのであった。