今日も午前6時から査読。抗生物質を飲んで一時的によくなったかと思っていた喉風邪がぶり返してきたようで、空咳が出るように……。これは一気に治さないと延々苦しむパターン。
午前中は情報理論の授業。あと1回は補講なので、今回が授業のまとめである。この授業も今年で3回目で、毎年少しずつやり方を変えているのであるが、今年になって気がついたのは、何を教えるかばかりに気を取られていたが、何を教えないかをもっと吟味したほうがよい、ということである。
最初はただ授業をやるだけでいっぱいいっぱいで、去年は前後のカリキュラムを考えて内容を調節する余裕が生まれていたが、実は同じ内容を複数の科目で聞くのは、大事なことは何度も聞いて復習したほうが定着するので、そんなに悪いことではない。今年の反省点として、この科目で本当に教えたいのは何か?という根本を意識していなかったように思う。内容を3/4か2/3くらいに減らして、もっと個々の内容に時間を使いたいな。
お昼は [twitter:@iwiwi] さんとランチである。先週も研究会でトークをお願いしたばかりだが、今回は学部生に向けた特別招待講演。招待講演だと、いろんな方が話に来てくださるので、うちの学生たちがどういう話を聞くとやる気になるか?ということを常に考えている。
ランチは研究室の学生たちと一緒だったのだが、海外のインターンシップの話をしてくださったり、やっぱりこういう話をしてくれる人ともっと交流してほしいと思う。@iwiwi さんでも、オンライン英会話を使って英語の練習をされていたという話をお聞きし、これはうちの学生も機会を作って英語の勉強をしてくれないと、受験段階の差を埋めるどころではない。修士を卒業する時点で TOEIC 600点、博士を卒業する時点で TOEIC 750点がベースライン(最低点)だと思っているが、学部の段階でもっと英語ができないと、突然スコアを上げるのは難しいよなー。
トークの内容は、プログラミングコンテストを極めし者達の世界と題してプログラミングコンテストの話と質疑応答。プログラミングコンテストの話も、確か今の B4 の人たちには紹介したのだが、B3 の人たちは紹介していなかったので、ちょうどよかった(研究室メンバーも、初見)。こういうエネルギッシュな話、B3 より B1 や B2 のときに聞かせてあげたいなぁ、と思ったりもする。来年度の検討課題である。
@iwiwi さんもお話されていたが、結局学部生に伝えたいことって、一点突破でいいから何か客観的な業績(プログラミングコンテストでも、国際会議発表でも、オープンソースソフトウェアの開発でも、インターンシップでも)を上げてほしい、ということである。一つでいいからそういうものができれば、それをきっかけに雪だるま式に世界が開けていく(たとえば国際会議発表経験が評価されてインターンシップが決まったり、あるいはプログラミングコンテストがきっかけでソフトウェアの開発に関係したり)し、直接会って「この人はできる」と思っても、それを裏付ける証拠がないと、たとえば採用するとき人事を説得できなかったりするので、とにかく最初は何か一つに打ち込んで、成果を挙げることだと思うのである(専門と関係ないアルバイトはあまりお勧めしないのもこのためで、時間を使ってお金にはなっても、将来につながらないのであれば、貴重な学生時代の時間を使うのがもったいない)。
質疑応答で、学部生時代にやり残したことは、という質問があり、基本的には学生生活をやり切った感があるので後悔することは特にないが、未踏はやってみたかったかも、というお話があり、なるほどな〜、と思う。未踏なんてやらなくても十分スーパークリエイターだと思うが、未踏でできる人的ネットワークも魅力的である、というのは確かにその通り。プログラミングコンテストを知ったのも、もともとはゲームをプログラミングしたくてプログラミングを始めたが、先輩がきっかけでプログラミングコンテストを知って、そこからアルゴリズムに興味を持って現在に至る、という話を聞いても、近くにそういう人がいる、というのはとても大きいと思うのだ。
夕方は進捗報告を聞く。M1 で新しい研究テーマを模索していた人たちも、なんとなく見えてきたようで、なにより。夏休み前にサーベイあるいはデータ収集しておいて、8-9月にがっつり実装し、国際会議で戦えるようなストーリー・結果になれば、翌年の論文投稿シーズンに間に合うのである。逆に言うと、10月に入ってから実装をしているようだと相当タイトなスケジュールで、年度明けが〆切の国際会議に投稿できるか否か(経験的には、そういう人はそれも間に合わず、また翌年)、くらいになってしまうので、8-9月に一気に実装できるよう、サーベイをしておくことが重要だと考えている。