楽天技術研究所 New York に期待

楽天、技術研究所を米国ニューヨーク市に開設というニュース。ニューヨーク大学関根さんが所長。

関根さんは自然言語処理が専門で、この研究所自体自然言語処理を中心にするそうなので、期待大。産業界に通用する自然言語処理の研究をやっているところって、あまりないので……。去年くらいから思うのだが、楽天は割と本気で研究開発マネジメントをしようとしているようなので、アメリカにおける MSR のような立場に立てるのではないかと思うことがある(Google も MS も日本に研究所を持っていないし、Yahoo! Japan も研究所の採用を止めたし)。人材が流動的なところではあるが、研究とのつながりを保ったまま開発につなげられる(可能性がある)というのはいいことである。

夕方は情報科学研究科の若手教員の飲み会にお誘いを受けたので、行ってみる。電車で飲み会に行くなんて久しぶり(いつもは運転したりとかなんだり)。

男女共同参画室つながりで物質の助教の方含め3名女性の教員の方がいらしたので、NAIST男女共同参画について話をうかがったりする。やっぱりこういうのって誰かがやらないといけないんだろうなぁ。女性からすると「最終的にそうなってくれるのは嬉しいけど、現実的に自分(の子ども)が不利益を受けないために今はこうせざるをえない」ということも多々あると。そういうの、男性側から変えないとだめなんだろうなー。NAIST は、というか松本研だからかもしれないが、男性でも普通に育休とか産休とか取れるのはありがたいことなのだなと思った。

インタラクティブメディア設計学助教の方々とお話したり、コンピューティングアーキテクチャ助教の方々とお話したり、どれくらいのペースで国際会議の論文を書いているかとか、どういう研究テーマを選んでいるかとか、参考になる話が聞けてよかった。特にこんな情報系の小さな大学だし、似たテーマをやっているのだから、協力できるところは協力したほうがいいと思うし、ぜひ協力しましょう、とamanoさんと意気投合したりする(笑) 意外に同じフロアでも大学というところは横のつながりがないもので、研究室を超えたつながりは大事だと思うのである。

Microsoft Research のすごいところは、情報系の研究者だけで300人くらいいることであり(夏の期間にはインターンがこれと同数くらいやってくる)、しかもそれぞれの研究者の人が仲良く、一つタスクが決まれば分野が違おうがなんだろうがスピーディにチームを組織して研究なり開発なりするところである。日本の大学、特に NAIST みたいな情報だけでは100人もいないところだったら、どうがんばったって京大や阪大、周囲の企業の研究所の人たちと協力しないことには研究で太刀打ちできるわけがないのである。大学同士で学生を奪い合うのも不毛だし、まして大学内の研究室同士で学生にネガティブキャンペーンをし合うなんてことをしている場合ではない。(確かに学生数が減っているので死活問題かもしれないのだが……) 

楽天技研も MSR ほど人数を確保できないだろうし、小粒でもピリリとニッチなところを狙ってほしいものだと思うし、研究機関同士で人を奪い合ったりしないでもっと若い人がどんどん外に挑戦していきたくなるような、そういう分野に自然言語処理がなってくれればな、と思う。

あと NAIST助教の人は入った年によって任期がなかったり、5年だけだったり、5年かつ再任可だったり、いろいろバリエーションがあるようなのだが、5年で終わりになる人は大変だそうだ。明日は我が身だと思うのだが、さすがに来年度末までは奈良を離れるのもなんだし、数年後を考えつつぼちぼちやるしかないかな。

その他 NAIST (の情報科学研究科)は今後どうなるか、みたいな話を聞いたり。いずれにせよ自分としてもこの2年が勝負かなぁー