ツボに訊く鍼灸界の裏事情

いま兄が鍼灸(しんきゅう・はり治療とおきゅうのこと)の専門学校に通っていて来年国家試験らしいのだが、それに触発されて

ツボに訊け!―鍼灸の底力 (ちくま新書)

ツボに訊け!―鍼灸の底力 (ちくま新書)

を読んでみる。本の背表紙の写真と自己紹介文を見るかぎりイカガワシイ感じの著者だが、内容も予想に違わない内容で許容範囲。「凝っているところに触らないで治すのがいい鍼灸師」とか「痛いところ以外をもっと痛くして『ほらここは痛くなくなったでしょう』と言う鍼灸師も典型的」などの話(以前鍼灸師の友人から聞いた話と同じ)とか、自分がそれまでに鍼灸受けたことないのに鍼灸師になろうと専門学校に入る人が多いとか、そういう実情が書いてあるので参考になる。もっとオープンになればいいと思うのだが、難しいのかなぁ。

確か2回目の大学4年生のとき(大学4年生を3回やっている)、卒業論文は「西洋医学における鍼治療の受容」というテーマで書こうと考えていたこともあったくらいなので、鍼治療には興味があって調べたことがあるのだが、実践がこうだと周りの目も違ってしまうし、もったいないと思うのだけど……。補足しておくと、自分の学部のときの専攻は「教養学部基礎科学科科学史科学哲学分科」で、上記のテーマは科学史もしくは技術史のトピックであった。このころには(入学当初の興味であった)科学哲学でなく、歴史分野に興味が移っていたのだなと思う次第。