首都大に向いている人いない人

今日は PACLIC 33 参加のために函館に移動する日。会議自体は金曜日から日曜日まであるのだが、自分は木曜日の午後~夕方に会議があったために、今日が移動日で土曜日のみの参加となったのである。ちなみに土曜日に参加するのは土曜保育があるからで、日曜日は保育園がないのでイベントへの参加は難しい。

午前中はひたすらメール処理。情報科学科に関する質問が、受験生から届いたりする。首都大(都立大)の情報科学科はどれくらい人工知能の研究ができるか、首都大(都立大)の情報科学科の利点と欠点は何か、といったあたりの話だが、この受験生1人だけに返事をするのもなんなので、私見を述べておきたい。

首都大の情報科学科の特色は、首都大が総合大学であることに起因する点が一番大きいと思うのだが、南大沢でたくさんの教養科目を履修できるし、さまざまな学部の人たちとサークル等も含めてつながりができる、というのがポイントである。自分自身、学部時代は文系(科学史・科学哲学)出身だし、学際的なことはやりやすいと思う。システムデザイン学部は B1/B2 が南大沢キャンパスで B3 以降が日野キャンパスと別れているのも特徴で、これも利点欠点両方あるのだが、日野キャンパスに来ると研究するぞーという感じになるのはよいと思っている(これは東大でも B1/B2 が駒場キャンパスで B3 になって本郷キャンパスに行くと気持ちが切り替わるという話はよく聞く)。

一方、こういう人はあまり向いていないと思うのは、早くから専門をバリバリやりたいという人で、そういう人は農工大や電通大に行った方が、みっちりしごいてもらえていいと思う。授業以外でも、よくも悪くも専門性の高い先輩や同期、後輩に刺激を受けるだろうし(東大や筑波は総合大学なので、やはり多様な人がいるのが大きく違う。東工大は、教員組織としては文系の人も色々いたりするので、農工大や電通大よりは若干多様性が高いのではないかな。知らんけど。)。1-2年が南大沢キャンパスというののよくない点として、研究室にふらっと行きにくいので、日野キャンパスに来るまでは研究はやりにくいかなと。まあ、それはそれとして自分で競技プログラミングをしたり、語学を頑張ってみたり(人文学部があるので充実している)、有効活用してくれればいいだけなのだけど……。

人工知能という観点からは、うちの情報科学科は「人工知能・自然言語処理分野」という分野があるのが特徴であるが(「自然言語処理」という名前がオフィシャルな組織の名前に入っているのは、日本広しといえど、うちくらいではなかろうか。)、教育カリキュラムとしては他大学とそんなに変わらないので、これは特にアピールできるポイントではない。人工知能関係の教員数は農工大や電通大と比べても明らかに手薄なので(これは教員数が学部の学生数によって決まるためで、農工大や電通大の数分の一しか学生数がいないので構造上仕方ない)、あまりお勧めできる感じではないのだが、教員数の割には授業科目としては充実したラインナップを揃えていると思うし、研究としては国内トップレベルの研究をしている研究室も少なくないので、そのあたりを理解して入学するなら、満足度は高いのではないかな。

一点気になるのは、ハイレベルな研究をしている研究室はどこも人気で、学科の中で上位2-3割くらいの成績(GPA でいうと3.0/4.0が目安)を取っていないとなかなか行けないので、入学したら自動的に人工知能の研究ができる、というわけではなく、人工知能関係の授業は成績によらず履修できるので勉強はできるが、一番のポイントである人工知能の研究開発をしたいなら、そこそこがんばらないといけない(成績が振るわないと全く興味のない研究室に行かないといけない可能性もあるし、大学院の進学もできない可能性がある)、ということである。

午後は羽田空港に移動して函館に向かうのだが、前日に機材変更の案内が来ていて嫌な予感がしていて、結局機材の到着が遅れて出発が40分遅れ。空港から市内へのバスがなくなってしまったかと心配したが、バスが待ってくれていたようで、なんとかバスでホテルの近くまで行くことに成功。危なかった~。函館駅で21時前だとほぼ全ての店が閉まっていて、なんとか駆け込んだ店で海鮮丼。無茶苦茶夜が早い?