言語学系大学院生

id:makimoto くんの紹介で、現在東京大学言語動態学研究室 M2 の I 西さんと夕食。この研究室、実は NAIST に来る前に進学しようと思っていた第一希望の研究室であり、しかも彼は台湾の原住民(少数民族)の言語の研究だそうで、まさにドンピシャである。少し運命が違えば彼と自分はいま同じ研究室で D2 と M2 だったかもしれない……(たぶんそうしたら彼のほうが後から入学だったので、彼がフィリピンの少数民族の言語をフィールドに選んでいたと思うが)

フィールド言語学の大学院生の研究生活についていろいろ聞く。年間2回くらいフィールドワークに出かけ(合計1ヶ月くらい)、残りの期間は言語学の本(含む博士論文)を読み、ときどき論文を書くこと、だそうだ。博士号取得にはなにも特別な要件はないそうで、ただ一つの言語についてしっかりした論文があればいいらしい。業績ゼロでも同じ研究室で学振(DC1)出した2人とも採用内定とのこと。まあ、フィールド言語学は(海外のものも含めて)いろんなフェローシップがあるので、というかフィールドワークがあるのでそういう制度がないと生きていけないというのもあるが、私生活をある程度犠牲にすればなんとか生きていける、というのは正しいと思う(だからこそ言語学の中でも特にフィールド言語学をやろうと思っていたわけで)。makimoto くんと学部の語学(ドイツ語)の授業が同じクラスだったころからの友人だそうだが、話す内容からしっかりした研究しているなと(自分も卒論書くとき台湾の少数民族の言語についてけっこう調べたので……)思った。自分がちょうどやろうと思っていたような、特定の言語理論に左右されないようなリソースを作成しておく(辞書やインタビューのデータは後世からでも利用できる)、という仕事を地道にやっているそうだ。こういう人がもっと言語学に入ってくるとすばらしいのだが……

本題はこういう言語学系の大学院生に向けた(仕事自体は情報系の企業なのだが)インターンシップありますよ、という紹介で、恐らく彼はアカデミックな道を進む(進める)と思うけど、そういう方面にも好奇心旺盛で、偉いなー、と思った。