メンターがいるのがいいか悪いのか

朝は5時に起きてメール処理をしたり、ランサーズの支払いをしたり。5時に起きることができると割と仕事を進めることができるが、5時に起きるためには22時前に寝ないといけないので、なかなか難しい。娘も21時に寝てくれればいいのだが、最近は自分が先に寝てしまうと妻のところまで行って「トントンして」と頼んだりして付き合わせているようなので、なんとかしたい。そもそも3歳で22時に就寝というのは良くないと思うのだが……。

午前中は学振の書類の添削を依頼されたので、少しコメントする。今年は研究室からは誰も出さないようなので、他大学の人を見るのであった(博士後期課程に在籍している学生は、その分野における宝物だと思うので、他大学の学生でも大事な学生である)。いわゆる学振とは正式名称は「日本学術振興会特別研究員」という奨学金のようなシステムで、博士後期課程の学生に対し、月額20万円を給付し、かつ年間50-100万円程度の研究費を支給し、研究をしてもらう、という制度である。仕事をするのと比べると経済的には見劣りするが、研究歴にカウントされるし、将来日本で働きたいなら悪くない(というか、国内で得られる支援としては最も恵まれている制度の一つである)。

首都大は首都大学東京博士後期課程研究奨励奨学金という奨学金があり、学振DC1(つまりM2の4-5月に提出する学振)に申請すれば、学振に採用されなくても月15万円の給付を3年間受けられるので、博士後期課程に進学したい人はうちだと経済的なリスクが少なく進学できるというメリットがあるのだが、まだうちの研究室の博士前期課程から博士後期課程に進学した人がいないので、あまりよさをアピールできていないようである(博士前期課程の2年で就職したくなってしまうのを特に止めていないせいでもあるが)。

メールを少し片付けたあと、午後は研究会。今日は学部4年生の卒業研究のテーマの説明があった。うちは一昨年から学部4年生は9月まで大学院生が考えた研究テーマから何か選んで研究に取り組んでもらう方針で、10月以降それを継続するかあるいは違うことをやるかは本人の自由だが、とにかく最初の半年は与えられた環境でトレーニングを受けてほしい、ということで一緒にやっているのである。昨年度の B4(今年度の M1)は9月までに取り組んでいた内容を卒業研究とした学生は5人中1人、タスクは同じだが手法もデータも異なる(つまり全然別の研究になった)学生は3名、タスクも違う学生は1名で、研究室でタスクを割り振るという目的でやっているわけではなく、しばらく手を動かさないと自然言語処理の研究って何か分からないだろうから、少なくとも1名相談に乗ってくれるメンターがいる状況で研究をする、という趣旨である。

外部から来た大学院生にも同様のメンター制度を作ってもいいかなと思わなくもないのだが、修士で就職してしまう(つまり自分自身がメンターとならない)学生にメンターをつけるのは研究室として持続不可能なシステムで、博士後期課程に進学する前提の学生にはメンターをつけても(Dに進学したらメンターとして活躍してくれるので)いいとは思っているが、M1 の段階で「博士に進学する」と言っていてもメンターをつけて研究してみたらやっぱり進学しないことにした、となると、結局持続不可能になってしまうので、導入を躊躇しているのである。(あと、修士から来て就職してしまう人は、メンターの提示する研究テーマに半年使ってしまうと、本人の能力と意欲にもよるが、大抵の場合は修士論文もほとんどそれにせざるを得ず、自分で考えた研究をする期間がなくなってしまう、という問題もある)

夕方は COLING 2016 の読み会。今年度からは論文読み会を明示的に新入生のトレーニングの一環として行うことにして、スライドを使った論文紹介と、論文そのものを読む論文紹介の二本立てで走らせているのだが、昨年度の前期はあまり論文紹介に出てあげていなかったな、と少し反省。論文紹介の時間はかなり重要な論文の読み方訓練をしているつもりなのだが、それが学生に伝わっているかどうかが不明(論文紹介をあまり聞かない学生もいるようだが、そういう学生は結局のちのち研究の進展も遅いので、何か相関があるようなのだが、何が関係しているのかよく分からない)。