先日 Pantel さんから「アメリカでは研究室維持のためにファンドを10個は取らないといけない。そしてそれぞれのファンドの採択率は8%。わたしは研究時間の6-7割は研究計画書を書いています。研究計画書書くのは研究のアイデアも生まれるのでいいのですが、これは狂っていると思います」と言っていたのを聞いて、
アメリカNIHの生命科学戦略―全世界の研究の方向を左右する頭脳集団の素顔 (ブルーバックス)
- 作者: 掛札堅
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/04/21
- メディア: 新書
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を思い出した。NIH というのはアメリカの国立衛生研究所なのだが、そこでずっと研究者をしていた著者が、アメリカの研究の進め方について延々と(赤裸々に)書いた本。Pantel さんも「アメリカでは研究費は基本的に1年間契約。日本は3-5年ならいいですね。カナダと同じです」と言っていたが、アメリカの研究発展の原動力でもある研究費獲得競争、必要悪なのかもしれないが、そこまでしなくても……と個人的には思う。
Pantel さんが「企業で研究するのは研究計画書書かなくていいのが一番いい。その次は、業績の評価軸がたくさんあるので、必ずしも論文書かなくても製品として役に立ったり、社内の役に立つようなツールを作るのでもよい、というのが逆に自由な発想を生み、いい研究を刺激している」と言っていたのを、ふむふむ、と聞いていた。