科研費の若手(B)の学内提出完了

午前中、言語教育勉強会。Introduction to Information Retrieval

Introduction to Information Retrieval

Introduction to Information Retrieval

の "Web crawling and indexes" の章を説明。全ての章の PDF が無料で公開されているほか、授業で使ったスライドが2コース分公開されているので非常に助かる。

前もどこかで書いたかもしれないが、SICP

Structure and Interpretation of Computer Programs (MIT Electrical Engineering and Computer Science)

Structure and Interpretation of Computer Programs (MIT Electrical Engineering and Computer Science)

の勉強会をM1のころしていて(この本も全文がウェブで公開されている)、非常にいい教科書かつ古典でもあり、翻訳をしていた和田英一先生とお話しする機会があったとき「SICPの勉強会しています」とお伝えしたことがあるのだが、それに対して「あれは悪くないけど所詮教科書だからねえ」とおっしゃって自分としては(せっかく楽しくやっているのに水を差されて)ムッとしたのだが、いまになって和田先生の言うこと分かるなぁー

確かに教科書レベルの知識がないのは問題だが、教科書に載っていることだけ勉強してなにかやった気持ちになるのは害があると思う。自分もそうだが、優等生タイプの人は教科書をやると (勉強が得意なので) 知識が増え達成感があるのだが、それはどこまで行ってもお勉強であり、仕事 (研究) はそこから先の話。

「勉強をする」というのは (秀才タイプの人からすると) マンガを読むのと同じような娯楽の一つに過ぎないのだが、「研究をする」というのはなにかを生み出す行為であり、それはマンガを読むのと比較するとマンガを描くことに相当するわけで、いくらマンガを読んでも描けるようになるわけではないし、それらは本質的に違う行為であって、描けるようになるためには描くしかないのでないかと思う。(鶏が先か卵が先かという話になるが)

と思ってそういえば以前[http://d.hatena.ne.jp/mamoruk/20100322/p1:title=「大学論」について書いた]なと思い出したが、こういうようにやるのがいいのかなぁと思ったり。

いろいろ考えて、結論もないが、いまの感じはけっこう気に入っている。

午後、科研費の若手(B)の申請書をひとまず形は整え、研究協力課に提出。若手(B)は期間を2年と3年と選べるのだが、以前は「3年もらえるなら3年でもらったほうが長くもらえて得じゃないか? また2年後に書かないといけないのは面倒だし」と思っていたのだが、分野によってはお金をけっこう使う必要があり、申請できる最大金額が決まっているので、1年でいくらほしいかによって申請期間を変えるらしいと聞いて目から鱗。情報系は人件費(+旅費)以外そんなにお金はかからない分野なので、自分的には重要なのは金額より期間かなぁ。というわけで(いまのところ研究テーマも「今後これ一本で行く」と確定しているわけでなし、あまり長くもらいたいわけではないので)2年で申請してみた。

あと月末締切の1本書けば今月の研究費申請は完了。今月書いたのは科研を入れてここまでで3本。一応全部内容は重なっていない。通ろうが通るまいがやることになる研究だろうし(出費があるときは松本先生に融通してもらっているが、「そのうち自分で研究費取ってきてね」と言われている)、ってことで書き続ける。研究計画書作成も「生み出す」系の作業なので自分はかなり苦手なのだが、これも練習だと思ってやるしかない。教員になってから研究費申請は2戦2敗なので、今年度中に1勝くらいしたいもの。Pantel さんの「大学にいたときは仕事時間の9割は研究計画書を書いていた」というのはさすがに行き過ぎだと思ったが、今後日本もどんどんそれに近づいていくだろうし、これは慣れていくしかないのだろう。ベテランの先生方には「今日中には送れないので待ってくださいと研究協力課にメールした」「まだ2行しか書いていないので今から本気出す」「そもそも申請書ダウンロードしていないのでこれからダウンロードする」という強者の方々もいたりして……(笑) さすがにそれは慣れ過ぎ? (汗)