午前中、ひたすら週末の三連休中に溜まった仕事の消化。正解データの人手評価をする予定だったが、全然そこまで到達しない。
昼一で中村研に行き、共同研究のミーティング。雑談的に研究計画書の書き方をいろいろ教えてもらう。複数研究費をもらっているとき、それぞれのプロジェクトの関連性をどのように書くかとか、分担体制をどのように書けばよいかとか、金額はいくらを書けばよいか、とか。計画書でも、セクションごとに書くべき内容があって、それを外さないように書くことが大事なようである。ドラフト段階から話を聞かせてもらっているので、どういうふうに他の人が作っているのか分かって参考になる。
逆に言うと、こういうのを周りに聞ける人がいない場合、とんちんかんなことを書いたりして、外部の研究費を獲得するのは相当厳しいんじゃなかろうか? とも思ったりする。自分も自分自身の研究計画書に関しては、コメントもらった記憶があるのは初めて学振の特別研究員に応募したときくらいで、あとは他の人が書くのを見よう見まねで身につける、という感じだが、少なくとも最初のうちは、正例(通った計画書)だけを見て学習するよりは、自分で書いた計画書に赤でコメント入れてもらったほうが、「こういうことはここに書くべきではない」「ここにはこれを書くべき」というような感覚が分かるので、論文にせよ計画書にせよ相談できる人というのは大事だなと思う。
そうこうもやもや考えながら研究室に戻ると、科研費若手(B)の交付内定通知が来ていた。震災の影響で通知が遅れていたようだが、無事通っていてよかった。自分の昨年度の状況は、応募5件に対して1件しか通っておらず、研究費に落ちまくっておいて、学振の研究計画書にコメントしたり、入試の小論文の添削したりするの、ちょっと気が引けていたので……。(これで応募6件に対して2件が採択されたことになった)
前回の研究費(科研費若手スタート支援)は人文系で申請して落ちたのだが、マイナス評価された4項目のうち2項目が「研究費の申請額が多すぎる」ということだったので、今回は満額申請せず、ちょっと減らしてみた。申請額の7掛けだったので、だいぶ少ないなと思ったが、どうやら減らされるのは普通なので、そんなに気に病むことはない、ということであった。(そもそも申請額のうち、半分はデータ作成や学生のアルバイト代などの人件費、残りのさらに半分は学生や自分の出張費で、これらは減らすことはできないが、残りはパソコンとか消耗品を買う部分で、減らされてもそんなにかまわないといえばかまわない)
また、あとで聞いた情報を総合的に判断するに、工学系は審査と研究費の申請額は全くあまり関係がない (そもそも金額を気にしない審査委員もいる) ので、満額申請したほうがよいが、人文系は (そもそも学会への出張費ですら自腹で行くのが普通、研究で使うパソコンすら自腹で買うのが普通だから) その研究費でしか買えない古典資料だとかを購入して研究するための研究費申請なので、PC 代金だとか出張費だとか RA の謝金だとかを書くと印象が悪くなるそうだ。
(2011-05-04 修正) 申請額(総額)ではなく申請されたものの妥当性(場合によっては金額も含めて、でしょうが)は、どの審査委員の人でも見ると思いますが、工学系でも申請額を見る人もいるそうです。コメント欄も参照ください。kanaya さん情報どうもありがとうございました。
ちなみに、自分は人文系で応募して学振の特別研究員に採用されたのだが、こちらの特別研究員の場合、選考の際研究費の内訳を書く必要はなく、採用されてから(特別研究員の場合、研究費込みで採用されているので、申請すれば金額はともかく通る)内訳を書けばよいので、審査委員の人たちの心証を悪くすることもなかったから、結果的に気がつかなかったのであろう。
今回は工学系で出したので (自然言語処理は学際領域なのでこういうことができる)、実は金額はいくらを書いてもよかったようのだが、こういう領域による違いが分かったのは、いい授業料であった。
いずれにせよ研究を推進するチャンスをもらえてありがたい。今後とも質の高い研究をしていけたらなと思っている。
夕方、なんとか時間を作って正解データ作成 (人手アノテーション)。けっこう悩ましく、100文/時かかる。これは水曜日に持ち越しかもしれない……