OB は再実験が難しい

今日は南大沢に行かないといけないので出勤日。

朝はマルチモーダル機械翻訳の共同研究のミーティングのあと、夏休みに行う予定の科学史・科学哲学(東大駒場)でのトークに関する打ち合わせ。2年前に科学基礎論学会でトークしたときもそうだったのだが、もう科学哲学を離れて15年以上経ち、どういう内容にみんな興味があるのかよく分かっていないので、こういう話を聞きたい、という事前情報をいただけるのはありがたい。しかし改めて考えてみて、自分は哲学したいと思って大学に入ったが、やりたかったのは哲学ではなく哲学学あるいは思想であり、科学哲学よりは科学史の方が近いのかなと思ったりする(だからこそ、卒論は科学哲学ではなく科学史になったのだろうが)。

午前中は論文誌の査読の対応。今回の問題は、卒業生が書いている論文なので、ヘビーな再実験が必要だと VPN で研究室のサーバにログインして実験しないといけない(ライトな追加実験であれば、手元にあるデータだけから可能)のだが、客員研究員みたいな身分がないと VPN アカウントが発行されないので、サーバにログインして再実験をしなくていいような形で修正して返信レターを書かないといけない、という点である。査読者の側からすると、そんなの共著者(=教員)が実験すればいいのでは、と指摘されても仕方ないのだが……。やはり M2 の学生は査読コメントのやり取りも含めて年度内に決着がつくような論文誌に投稿した方がいいのかなぁ(投稿が卒業後でも採択されているケースも複数あるので、投稿できるなら卒業後でも投稿したほうがいいと思うのだが、悩ましい)。博士号を取得した学生については、卒業と同時に客員研究員の身分を申請しておくことにしているので、この問題はないのだが……(博士号を持っている人には客員研究員は問題なく付与されるが、修士号のみの場合は付与されないというのが問題)。

午後は南大沢に移動して学部1年生の基礎ゼミナール。自分も含め、大体みんなやり方に慣れてきたようだ。もう少し学生同士でコミュニケーションできるように授業を設計できると良かったのだが、毎回オンライン・対面参加者が固定されていないハイブリッドの形式でやることを考慮すると難しい(演習なのでオンデマンド形式での参加は認めておらず、サポートしなければならない参加形式はオンラインと対面だけではあったが)。