親切な未踏ジュニアの申請書

朝5時に起きて7時まで ACL の Live QA セッションを聞こうかと思っていて、朝5時に起きたところまではよいのだが、授業の準備をしていたら2時間弱かかってしまい、ACL の Live QA セッションに参加できなかった。午後11時から始まるというスケジュールも日本的には厳しいが、やはり国際会議の時間は他の仕事が入らないようにブロックしておかないと、中々厳しい。

しかし授業を補講にしてまで聞きたいというかというと微妙なところなので、仕方ない。松本研にいたときはスタッフが複数いたので、松本先生がいなくても勉強会はできたりしたのだが、教員1人しかいない研究室だと穴を開けるのが難しい。学生のころ、教員1人しかいない研究室の先生方が学会に参加していてもずっとノート PC をいじっていたり(懇親会のときだけフリーになる)のを見かけていたり、そもそも学会でお会いしなくなるのを体験していたのだが、今となっては完全にその意味が分かる。

今日も雨模様だが、出勤日なのでバスで職場に向かう。雨の日は危ないので外では三角巾をしているが、三角巾をした上で傘を持つのはかなり面倒くさいので、そろそろ晴れてほしい。むしろ三角巾をしないほうが安全なのかもしれないが……(室内では三角巾はしなくていい、と先週言われている)。

午前中はグループミーティング。AACL-IJCNLP/COLING の投稿が一息ついてから最初の進捗報告だったので、今後の方向性(国際会議・論文誌の投稿予定)を話したりする。9月1日〆切の言語処理学会論文誌(自然言語処理)に投稿すると、日本学生支援機構の返還免除の申請の前に採否が分かるので、これに投稿したいという学生たちがいて、なるほどーと思ったりする。数年前はこのサイクルを考えていたのだが、就職活動が終わるとなかなか論文誌への投稿にこぎつける学生がいなかったので、忘れていた。しかし昨年度から今年度に関しては、卒業後にも査読者対応してくれて論文誌採録までこぎつけた学生たちがいるので、自分としては認識を改めるべきだと思った。

ちなみに、修士論文を書いてそれを論文誌に投稿すればいい、という考えもあるのだが(そのように考えていた時期もあったのだが)、修士論文を書き終わると査読者への査読結果への返信を書いたり追加実験をすることも困難になるので、出すなら修士論文の審査の前に査読者とのやり取りが終わるようなスケジュールがいいなと思う。一方、修士で就職してその後研究には携わらないであろう本人にも明らかなメリットがあるのは、奨学金の返還免除にかかるこのタイミングのみなので、自らやる気になってもらえるのは助かる。

そういえば東工大の @hitoshi_ni さんが修士の学生の修論を全部論文誌にした、というのを聞いて本当にすごいなと思っていたのだが、その後企業に転職されたという話をお伺いしてさらにびっくりした。献本いただいた下記の「テキスト・画像・音声データ分析」の著者紹介に現在の所属が書いてあったが、最近は自然言語処理でも Acadexit する人が増えてきたので、こうやってずっと大学にいるというのは果たしてよいことなのだろうか、考えたりする。

午後は機械学習の授業。今日から演習に入るので、Google Colab の使い方を解説したりする。課題については結局 Google Colab を使うようなものではなく、未踏ジュニアのフォーマットで(機械学習を用いた)プロジェクトの計画書を作ってもらうというものにした。本当は未踏本体のフォーマットで書いてもらって、来年そのまま提出できるようなくらいにしてみたかったのだが、未踏ジュニアの方が書き方の説明やサンプルも含めて親切なので……。ちなみに今年から本学の情報科学科は「科学オリンピック入試」として(情報オリンピック経験者に加えて)未踏ジュニアに採択された人も募集しているので、3年後にはもしかするとすでに未踏ジュニアでプロジェクト申請書を書いた人が学生として上がってくるわけである。