役に立つことばかりではつまらない

今日は久しぶりに(在宅勤務できる曜日に、出勤しなければならない用事が入っていないので)在宅勤務デー。助かる。

午前中はメール処理を2.5時間、授業の課題の採点を0.5時間ほど。あと、プログラミング教育について1.5時間ほど意見交換をしたり。競技プログラミングの功罪、というか競技プログラミングばかりをしてそれ以外をしない(そして、競技プログラミングができるんなら、周りも自分を高く評価してほしい)という人が出現していることの危惧が話題になったが、自分的には競技プログラミングが存在しなければそもそもプログラミング自体微妙な感じになる人の方が多いと思うので、まあこれはこれでいいのではないか、という印象。

あと、応用情報技術者試験みたいな試験の内容の勉強が、実は広く浅くカバーしているのでいいよね、というのは共通した認識。ただ、これも資格を取ることが目的化する勉強だったりするとあまり意味ないので、あくまで開発に必要な知識を身につける、みたいなスタンスの勉強かな。ちなみに自分は本学に着任してから「授業の勉強をするだけでは、情報系で必要な知識の1/5もカバーされないので、知識を身につけたい人は自分で基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の範囲を勉強してほしい。プログラミングも全然時間が足りないので、授業だけで書けるようになる人はほぼゼロだから、書けるようになりたい人は独学してね」と(9割以上の学生が履修する)授業中に言っている。仕事でプログラムを書いている人は「それはそう」と思ってくれるだろうが、高校からなんとなく大学に来た学生は、授業だけやっていればそれで周りが高く評価してくれる(あるいは仕事がすぐできるような力がつく)、と思っていたりしている節があって、いやいやそんなことはない、ということを伝えておくべきかと……(授業以外に力を注げるものが特にない人が授業にフォーカスするのは生存戦略として正しいと思うが)。

午後は学部生の機械学習の授業。先週までで基本的な話は終わり、ここからは各論。授業中にはそれぞれの内容がどの研究室のどういう研究とつながっているか、あるいは実社会のどういうサービスにこれらの理論や技術が使われているか、と言うことを割と説明しているのだが、考えてみるとこういう説明がいくらでもできるというのはすごいことだ。自分が文系にいたときに受けた授業のほとんどは、この話は世の中のこういうところで使われている、なんて話はできなかっただろう。そういう説明ができた方がいい、みたいなことが言いたいわけではなく、そういう説明ができるような内容の方が興味を持って取り組んでくれる学生が多いような学部にいるんだな、という感想(自分が高校〜学部生のときだったら、これはこう世の中の役に立つ、みたいに説明されたら、逆にその学問の勉強をする気が失せたと思う)。