他組織の人と交流する機会

今日は有給休暇の日。もっと言うと、本来23-25日も有給休暇を取得していて、9/19-9/27まで9日間休みのはずなのだが、25-26日は最先端 NLP 勉強会が入ってしまったし、23日は高大連携の演習が(日時指定されたので拒否できず)入ってしまったので、シルバーウイークで純粋に休暇なのは今日だけである。

とはいえ午前中からお昼にかけては溜まった投稿論文にコメントをしたり、メールの返事を書いたりなので、普段とあまり変わらないのだが、午後は警察署に行って通行禁止道路通行許可証をもらったり、車にガソリンを入れたりできたのは、休日っぽいかな……。

最先端 NLP 勉強会のような論文読み会で思うのは、うちの研究室に限った話ではなく、学部全体の問題だと思うのだけど(授業で論文紹介してもらうこともあるので、他研究室・他学科の様子もある程度分かる)、うちの学生は論文をきっちり読む力および網羅的に読む力が弱いことが弱点であった。ちなみに、研究室内では、それぞれ論文の精読・速読する論文紹介をしてもらうことで訓練していて、精読に関しては(トレーニングとしては)うちの研究室ではもうやらなくていいかなと思って2年前からやっていない。

特に以前は英語力およびプログラミング力の問題で入口に立てなかったような感じだったので、授業でも口を酸っぱくして「英語は(大学院入試でも、就職活動でも)重要だからちゃんと勉強するように」と言い続けたところ、英語で詰まる学生はいなくなった気がする。また、プログラミングも授業でリーダブルコードを紹介したり AOJ で練習してもらったりしたところ、「先輩からもらったコードでしか研究できない」というような状態ではなくなってきたようである。具体的には、首都大に着任した当初の様子からすると、最近の学生は飛躍的に向上していて、TOEIC で言えば200点くらい上がっていると思うし、コーディングも昔は全てを main 関数に書き、重複する処理はコピペ、みたいなのも珍しくなかったのが、最近はライブラリを使って開発したり、Git を使っている学生も多くなり、最低限の開発はみんなできるようになってきたと思う(いずれも、うちの研究室に限った話ではない)。

で、論文読み会に戻ると、今は英語力やプログラミング力の問題ではなく、数学力の問題で先に進めていないような印象を受ける。これに関しては他学科・他研究室の様子は分からないのだが、自然言語処理の会議に投稿されている(理論的な論文ではなく、応用的な)論文を読むのはそこまで詰まらないのだが、機械学習系の国際会議や論文誌に掲載されているような論文を読むのが難しい。自分自身、学生時代に理解できず毎日持ち歩いていた論文があったり(数ヶ月かけて理解できたり)、NAIST 松本研の勉強会で3時間くらい教科書や同じ論文をあーでもないこーでもないとスタッフも含めて読んだり、はたまた最先端 NLP 勉強会のような色んな人が集まるところで論文の読み方を見様見真似で覚えたりと、ものすごく時間をかけて読み方が分かってきたので、すぐに身につくものではないとは思っている。ただ、そこから逆算すると、こういう論文が読めるようになるためには、修士でうちに来て博士まで進学してくれる学生が一定数いる(松本研は D 進する学生が多かった)とか、非効率に見えても何時間も教科書や論文を読むような勉強会をやるとか(これは現在の自分のライフスタイル的にできない)、あるいはもっと外部(他大学)の研究室と合同で勉強会をやる(今もやっていない訳ではないが、任意参加にしているので片手で数えるくらいの学生し参加しない)とかしないと変わらなさそうに思っている。

今年は最先端 NLP 勉強会がオンラインになったので、うちの研究室からも聴講でもっと参加できるかなと学生に紹介してみたのだが、どうもオンラインでも人数を絞っていたらしく、発表者として手を挙げないと参加できなかったようで、ちょっとかわいそうな紹介の仕方をしてしまった。というか、そもそもこういうのって教員から誘ってみたほうがいいのかもしれない(よくよく考えると、自分も修士1-2年生のときそれぞれ JAIST および東工大で開催された合同研究会には、自分から参加したいと言ったわけではなく、乾先生や松本先生から参加してみては、と誘われた気がする)。

もっとも、今年の(情報科学科に改組してから初の)学部3年生に機械学習の授業をした経験的には、もっと学部の段階で理論的な話をしてもついて来られそうな感じだったので、来年に授業の内容を変えてからの学生が M2 になるころ(2024年以降)には、このような問題は意識しなくなっているのかもしれない。それも踏まえて今年度の後期の学部1年生向けの授業も内容を変えていきたいと思っている。