数式が出ると取らない人もいる

朝から拡大 SD 学部教務委員会。段々と年度末の雰囲気になっていく。それと連続して、基礎教育に関するヒアリング。総合大学なので、基礎教育ということについて考える機会が単科大学と比較して多いと思うのだが、いろいろな意見を聞くと、なるほどな、と思うこともある。自分自身、元々は文系で入学しているので、幅広く学ぶというのは大いに賛成なのであるが、専門性のないまま幅広く学ぶのはあまり意味がない一方、専門性を高めてしまうと幅広く学ぶインセンティブが失われるというジレンマがある。

あと、全学の科目で数式を出すべきかどうかというのも悩ましい問題で、理工系の学生には数式が出せないとちゃんと説明できない反面、人文系の学生には数式が一つ出るだけで強烈なアレルギー反応が出るので(あるいは、そういう科目だと思われると人文系の学生はそもそも履修しない)、理工系の教員としては(教育サービスになるが)人文系の人向けの科目と理工系の人向けの科目で分けて開講してもらう、というのがいいんじゃないかなぁと思っている(そのぶん理工系の教員には手当てを出すとか、あるいは非常勤講師に人文系科目をお願いする、みたいな措置は必要だろうけど)。自分自身、NAIST に進学してよかったのは、分野外の人向けに開講されていた基礎科目だったしな〜。(なので、どちらのタイプの授業も、それぞれ別の理由で必要だと思う)

昼からは M2 の進捗報告。今年度は「情報科学域」という組織になって初めて修士の学生が出る年で、情報科学は「修士(情報科学)」と「修士(工学)」を自分で選択できるようになったので、学生にどちらの学位で申請するのかを聞いたりする。これ、元々は「修士(工学)」だけだったのだが、隣のインダストリアルアートが「修士(芸術工学)」と「修士(学術)」の選択制になっているのを知り、それなら「修士(情報科学)」も作っていいのでは、と軽い気持ちで言ったら通ったものなので、こうやって1期生が出るところまで来ると感慨深い。学位の選択に限らず、本学を卒業する人は、複数の選択肢があるところ、自分の責任で決断して先に進んでいってほしい、というメッセージでもあるし、どちらの学位がいいのか、自ら選び取ってほしい。

夕方は統計数理研究所で共同研究のミーティング。最初、国語研かと思って国語研に行ったら違っていた(汗)。データを見るといろいろ分かっておもしろいが、なかなか想定したようには行かないものである(まあ、それはそれで研究あるあるだし、自分としてはそんなに想定からは外れていない)。