転学部・転学科する道もある

午前中はオフィスアワーでしばらく話を聞けなかった人の話を聞いたりする。博士後期課程の人の話を聞くタイミングが難しい。社会人博士の人は仕事の都合が人によって全然違うし、課程博士の人も色々なので……。どうも社会人の人以外は研究室何年目かで分けたほうがいい気がしていて、1年目の人は最初の半年は基礎勉強会があるのでいいが、3年目までは毎週聞いた方がいいのではないか、という気がしている。まあ、自分で国際会議に通せるようになるくらいまではしっかり研究室で基礎力を身につけてもらう(その前に補助輪付きで国際会議に通す段階がある)、という意図なので、人によってはもっと早く定期的なミーティングをしないフェーズに移行してもよいと思うのだけど。

午後は南大沢に移動して、成績不振者に対する履修指導。システムデザイン学部では年間50単位までしか登録できないという制限(上限)があるのだが、取得単位数が少なすぎる(年間20単位ない)学生にも指導をすることになっていて、教務課から該当する学生に呼び出しがかかるとともに、保護者にも通知が行っているらしい。情報科学科、情報通信システムコースの両方に対象者がいるのだが、こういう呼び出しをして履修指導に来てくれる学生はまだ救いようがあり、そもそも呼び出しても来ない学生はどうしようもない。

成績不振者に対する履修指導をしていて分かったのは、情報通信システムコースの場合、情報と通信それぞれで最低限取得しなければならない単位数はあるのだが、プログラミングが苦手な学生は専門で通信に逃げることができ、逆に物理が苦手な学生は専門で情報に逃げることができるのだが、情報科学科に入ったのにプログラミングがどうしても分からないし、全然好きにもなれないという学生は逃げ場がなく、そういう学生は低年次で分かったら転学部・転学科してもらったほうがいいのではないかなと思ったりする(推薦で入った学生は、転学部・転学科が認められていない場合があるが)。専門が増えれば増えるほど、どんどんつらくなるので……(看護学科でも、2年生くらいまでは講義と学内の演習なので我慢できても、3年生になってから学外の実習が始まって、これは無理と退学したりする学生が多いと聞くが、同じような感じだろう)

成績不振者に対する履修指導のあとはひたすら15時から18時半まで履修相談を受ける。今年が特に履修相談が多いという印象はなく、去年と同じで20人以上の相談を受けたが、情報科学科の学生はみんな似たような時間割を組んでいるというのが印象的である。というのも、海外留学をする学生のモデル履修コースというのを作成するための参考に、研究室の学生に1-2年生時代にどの授業を取ったのかアンケートしたことがあったのだが、(必修の授業と情報通信システムコースの推奨科目になっていた1科目を除き)情報通信システムコース時代は驚くほどみんな教養科目の授業が重なっていなかったのである。それを知ってから、首都大は教養重視というが、確かにこれは総合大学ならではだなぁと思ったし、外国語も(単位数の制限はあるが)役に立つかどうかという観点ではなく、人生を豊かにするために学んだら楽しそうな言語を履修してみてはどうか、と思っている(役に立つかどうかという観点であれば、英語以外は中国語一択だろう)。

学部教務委員の任期は2年なので来年度は情報科学科の学部教務委員はやらない予定だが、色々と学生の様子を知ることができて有益な大学運営の仕事だと思っている(大変な仕事も多いのだが)。