博士号学位取得者一号目

朝は南大沢キャンパスで学位記授与式。今年は [twitter:@moguranosenshi] くんが研究室で初めての博士号を取得予定なので、自分も出てみた(これまでは、大学院教務委員だったときは仕事として出ていたが、副査でも特に出てはいなかった)。もう3年なのかぁ。

あまりこちらから指導することはなく、学外の適切な人とつないだりするのが主な仕事だったと思うが、この3月に「自然言語処理」でも発表した内容は(NL研で優秀研究賞をもらったのに、国際会議運が悪くて、どこでも発表していないのだけど)自分とだけでやった研究で、それが博士論文のメインテーマにもなったので、よかったと思っている(とはいえ、構想から実験から何まで彼が主体的に進めていたので、自分が適宜コメントを求められればする、という程度であった)。

失敗だったなと思うことは2つあり、1つは日本学術振興会(学振)DC1 の申請書を見せてもらったのが M2 の冬で、申請前に一度見せてくれていたら、DC1 の申請書にもコメントできたので、在学中に DC1 か DC2 を取らせてあげられるようなコメントはできただろうな、ということと、もう1つは入学直後に B4 の面倒を全部引き受けてもらったことで、B4 の総意と彼の同意があったとはいえ、1年目の彼が主著の研究成果がほとんどなかったのはこれが主要な原因なので、せめて3人にしてあげたほうがよかったのでは、と思っている(面倒を見ていた B4 たちと、同時に卒業になるわけだが)。

就職先も特に(相談には乗ったが)自分が世話することなく決めていたし、こういう学生ばかりだと教員が楽をしてよくない、と思ってしまうのは M なんだろうか……(よいことでしかないけど)。ともあれ、今後もどんどん博士号を取得する学生を送り出していきたい。(1年に1人くらいのペースで。)

昼から日野に移動して大学院の受験希望者と面談。言語処理学会にも来ていたそうだが、自分の都合がつかなかったのである。現在は大阪にいるが、実家がこっちらしいし、東小金井のあたり通ってたというので聞いてみたら、兄と同じ高校出身だった(この3月に修士を取る別の研究室の学生もそこ出身だったし、高校訪問に行った方がいいのでは感がある。系列校があると嫌がられるかもしれないが)。しかし受験希望の人は勉強会を見学してもらった方がいいと思うので、できればまた来てもらいたいのだが……(授業があるそうで、難しいとは思うが)

夕方はずっと事務処理。今日で年度内の処理はクローズするつもりで、ひたすらやる。2年間お世話になったコース担当の会計の方が(続けたいのに)退職されるという話で、ちゃんと継続的にできる体制にしないと無駄に事務作業が増えていくのでは、と思ったりする。法人として、もっと仕事を減らす努力をした方がいいのでは……。

夜は研究室の追いコン。今年も田川・大久保研の追いコンと同じ会場でびっくり。こんなに飲み会の場所があるのに被るとは……。いつも通り、しばらく歓談して、最後は研究室内部の表彰式と、自分および在学生から卒業生に記念品の贈呈、そして卒業生から一言。今年は卒業生が少ないが、長く研究室にいる人たちが旅立っていくのは少しセンチな気分になる。今年はみんなそれぞれの立場でチャレンジングなところに行く(とりあえずみんなここに行くからここにしとこう、と判断を少し延長するような、モラトリアム的な選択ではない)と思うが、それぞれ行った場所で活躍してほしい。

追いコンの締めは自分がクロージングの言葉を言うことにしているが、今年は健康が大事だよ、という話をしてみたりする。身体的にも精神的にも健康でなくなると研究どころではないし、研究は世の中でやれることのほんの少しであり、研究だけが人生ではないし、研究なんて特にやらなくてもいいので(研究は、やって楽しい人がやればいいと思う)、健康でいることを第一に、研究を楽しみましょう、という話。NAIST 松本研時代、ryu-i さんが特任助教から東工大助教に転出されるときに同じ趣旨の話をしていて、話を聞いたときは「研究でツラかったり楽しくなかったりするのは本末転倒だから、研究するなら楽しんでね、なんて、普通じゃないか?」と思ったのだが、今はその気持ちがよく分かる。話を聞いたみんなも、この意味が分かるのは10年後かもしれないが、そのときに思い出してもらえればと思っている。(もっと即効性のある「イイ話」をした方がいいのかもしれないが、門出のようなときこそ、あとあとで真意が分かるような話をしてもいいのかなと)

もうすっかり春だなぁ。