半年で投稿できるクオリティ

午前中は他大学の方、企業の方々と打ち合わせ。1月に話があったのだが、2月下旬までは身動きが取れないから対面ミーティングは勘弁してほしい、とお願いして調整していたのであった。来年以降は、2月下旬までは論文等の査読も引き受けるかどうかを検討しておいたほうがよさそうだが……。

そういえば、来年度も「オープンユニバーシティ」という自然言語処理を一般向けに話す授業を開講するのだが、前回は飯田橋キャンパスで土曜日に実施して、社会人の方を中心に割と高評価をいただいたのだが、プログラミングもしないし数式も全く使わない講義にしていたので、演習や実践をする時間がほしかった、というフィードバックがあり、今年は日野キャンパスで平日に開講する(というか、大学院授業をこれに充てる)ことにしたのである。正直なところ、そもそも数式を追いたくない、プログラミングもしたくない、という人と、演習をしたい、という人は全然交わらないので、両方を満足させるような授業をすることはできない、と思っている。

午後はカリキュラム委員のお仕事やメールをしたりする。そろそろ来年度の足音が聞こえてきていて、学部再編を(自分が)乗り切れるか、ちょっとドキドキである。

夕方は LREC(言語資源に関する世界最大の国際会議)に採択された論文のカメラレディを書く。筆頭著者として書いた学生はもう就職してしまっているので、査読コメントへの対応は自分がすることになっているのである(そもそも、投稿したのも自分なので、原稿に関しては自分がやった方がいい)。発表の方は企業(ジャストシステム)が理解があり、業務として行かせてもらえる(参加費や旅費も会社持ち)そうで、ありがたいことである。

  • Yuya Sakaizawa and Mamoru Komachi. Construction of a Japanese Word Similarly Dataset. LREC 2018. (to appear)

実はこれ以外にももう1本 M1(社会人経験者で、外部受験生) が LREC に投稿していて、そちらも通るかと思っていたのだがそちらは(査読コメントはむしろこの論文よりよかったのに)落ち、LREC の併設ワークショップに投稿し直したら2人の査読者から strong accept と判定されて通った(本会議でも通るレベルなら、そう判定されるだろう)ので、査読者運ってあるんだなぁ、と思ったりする。

大学院生は研究を急ぐ必要はないのだが、ワークショップとはいえ研究室に来て1年で査読付きの国際会議に通す(つまり入学して数ヶ月後の9月には国際会議に投稿可能な研究成果と原稿がある)のは立派なので、こういう形で論文を発表するサイクルにもいいなと思ったりする(こういう人ばかりなら、修士だけで就職するような人でも受け入れていいのだが、そうとも限らないので……)