就職をすると決めても最後まで

午前中は大学院のプロジェクト演習の最終報告会。このプロジェクト演習というのは首都大のシステムデザイン研究科の必修科目で、学際的な知識も身に付けてもらおうという肝いりで導入されたもののようだが、結局ほとんどは所属する学域の演習しか履修しないようで(一応所属する教員のテーマは取れないようになっているが)、割と形骸化している。

とはいえ、他学域のプロジェクト演習のやり方を聞くと、多摩地域の中小企業を紹介してもらって学生は数人のグループでその中小企業に行って課題を解決するとか、あるいは企業との共同研究の形にして予算をつけてもらい、学生もコンペ形式で企画・提案して(予算内で研究費も使用できて)最終的には学外のイベントで発表するとか、ユニークなやり方をしている学域もあるようで、それは確かに意味のある授業な気もしている。

前者のような本格的なインターンシップや、後者のような(学内未踏ユースに似た)プロジェクト開発を導入するのがよいとは常日頃思っていて、今の情報通信システムの中でどうやればいいのか、と思っていたのだが、実際に毎年やっていると聞くと目から鱗であるとともに、それなりに教員に余力がないとこういうのは難しいな、と思ったりもする。自分はそういう割と遊撃的なことをしてもいいのだが、レギュラーの授業に加えて新しく立ち上げる余力はないので、年間の授業数を基礎科目1科目、専門科目1科目くらいにしてもらわないと厳しい。(今は基礎科目1+0.6+0.4科目、専門科目1+0.5科目やっている)

午後は特別研究(いわゆる卒論)発表会。とはいえうちの研究室も学生は特に心配することはない(すでに十分見ている)ので、これまで授業を受けてくれた学生の様子だとか、あるいは来年度以降進学して副査になるであろう学生の研究テーマにコメントしたりするのが主目的である。

毎年思うが特別研究発表会の予稿は研究室ごとにクオリティがはっきり分かれるので、学部3年生には4月のガイダンスあるいは10月の研究室説明会で前年度の予稿集(PDF)を配ればいいんではないか、と思ったりする。前年度ぶんと今年度ぶんを見れば、どのような方針で研究テーマが決まっているかも想像できるし。うちのコースでは、基本的には卒業する・した先輩のテーマの引き継ぎや、あるいは先輩のテーマのサブタスクをやる、というのが普通で、前の年度にやっていた研究テーマと全員全然違うことをするのはうちの研究室くらいだし……。(基礎勉強会はともかく、新しい研究に取り組みたくないという人がうちの研究室に来ると大変だと思われるので、そういう人が他の研究室を選ぶ手助けになりそう)

年度末なので秘書さんに来てもらっていたのだが、いつもよりだいぶ大変そうで申し訳ない。研究室のメンバーが多いと、旅費の手続きがどうしても煩雑になるのである。毎年度この時期は作業量が多いことが分かっているので、月1回ではなく2回来ていただいたりしているのだが……。