いい文化持って帰ってきてほしい

午前中はデータ構造とアルゴリズムの演習の授業。三度目の正直でようやく自動解錠の設定が通っていた。この授業、前半45分を講義(そのうち15-20分は雑談)、後半45分を Aizu Online Judge を使った実習にしているのだが、後半は Aizu Online Judge で出てきたエラーをプロジェクターで見ながらその場でデバッグしてあげている。どれくらい学生が聞いているのか不明だが、まあ役には立つかなと……。Visual Studiogcc で結果が違う、という質問を受け取ったのだが、これデバッグするのは難しいので TA にお願いしたり(汗)

お昼は大学院のプロジェクト演習のミーティング。ようやく企業の方と全員で顔を合わせてキックオフができてホッとする。これうまく回るといいのだが……。

午後は先週に引き続きインターンシップの参加報告(4人)。今回は研究所にインターンシップに行った人の報告が多かったせいか、研究所にこういう(よい)文化がありました、という紹介がおもしろかった。

「強い研究チームを作るにはどうしたらいいか」という話、自分も考えていて、NAIST の中村先生に学ぶところが大きかったのだが、少数の研究テーマに集中し、データやコード、知見を共有するのがもっとも効果が大きい。

ただ、そのやり方はうちの研究室には合わないと思っていて、なんとかそれとは違う方法で強いチームになれないだろうか、と考えている。具体的には、研究テーマ(タスク)を共有するのではなく、手法(方法論)を共有して、類似の手法だけど色んなタスクで有効、みたいな形で研究できないか、と思っているのである。モデルとなっているのは NAIST 松本研の SVM 勉強会で、SVM が登場してその当時の学生でそれぞれ違うタスク(形態素解析、固有表現認識、係り受け解析、文書分類など)に SVM を適用して、それぞれで記念碑的な業績を挙げた、というもので、このような研究スタイルで研究したいのである(松本研でも SVM 以降はそこまで強力な手法は登場していないが)。

あとグループとして意識しているのは、新人でも参加しやすいようにということで、世界最先端と比較するのではなく、去年の自分たちと比べて前に進んでいるならよい、というポリシーで、あまり他人を気にせず研究することである。「出るからには勝たなきゃ」みたいな意識の人もいるだろうし、多分そういう(勝てない人ならいない方がまし、みたいな感じで最強のグループを作れる)人が強いのだろうが、うちはそのようなポリシーにはしたくないのである。もちろんキャパシティの問題があるので、縁がある人しか受け入れられないのだが、自然言語処理に興味を持ってくれる人の裾野を広げたいと思っている。