小規模な研究室でできること

朝出勤し、業者の方にサーバ室をチェックしていただく。GPU がたくさん載っていると、電源や空調が割と問題だそうで、環境によっては不安定になったり熱暴走したりもするらしい。

午前中は深層学習グループの進捗報告を聞く。受験希望者の見学もあったのだが、今年度の受験生の見学は恐らくこれで最後。今年度は異常で、20人を超える学生からほぼ毎週見学があり、ちょっとうちのような規模の研究室では対応しきれないので、来年度は「他大学に出願することは構わないし、むしろ奨励するが、うちの研究室で合格を出したら必ず入学する」ということを、出願の要件にしようと思っている。つまり、うちを滑り止めで受けるのは不可、ということである(東大や東工大は首都大より入試が後ろなので、それらと併願しようとする場合、うちに受かったら東大や東工大は断念してもらう、ということになってしまうが)。

研究室に余裕があったころは、座席の範囲内で合格させて、滑り止めで受けて抜けてもいい(定員を超えることがなかった)、という方針だったのだが、現在はそういう余裕がなく、座席の範囲内で合格者を決めると半分以上断らないといけないので、抜ける可能性がある人より確実に来る人を優先したいのである。滑り止めの人が滑り止めでない人を押し出してしまう、という事態を避けたい、というのが第一義だが、最初から他大学が第一志望の人の見学の数が減らないと、見学対応の時間も馬鹿にならないし……。(見学しないと順位が決められない、と見学する人は減らないかもしれないが)

午後は企業の方とミーティング。いろいろな形の共同研究があるが、教員が1人しかいない研究室の最大の問題は研究に関する複眼的な視点だと思うので、研究者の立場で別方向からインプットがもらえるのがとてもありがたい。研究室の学生にも、できるだけ外部の勉強会や学会に参加し、学外の人と喋ることを奨励しているのだが、それは勉強会に参加して知識を得るということに加え、研究室での研究の水準も再確認してほしい、という意図もある。知り合いの勧める勉強会ならともかく、手当たり次第イベントに出るくらいなら、研究室メンバーと議論した方がよかったりすることも往々にしてあるだろうし。(レベルが低くて参考にならない、というケースもあれば、レベルが高すぎて参考にならない、というケースもあり、どっちもどっちなのだが)

夕方は統計数理研究所に移動して共同研究のミーティング。研究室として定期的にしっかり機械学習数理モデルの勉強をする機会を設けた方がいいのではないか?と思ったりする。今は言語学の基礎知識と機械学習の基礎知識は、時間的に諦めている。博士後期課程に進学するつもりの人でもないと、全てを基礎からやり直す時間がない。問題は、大学院から来る学生こそ、ちゃんと基礎勉強の必要があるのに、2年間ではその時間が圧倒的に足りない、ということであるが……。