見学で合うかどうかをマッチング

午前中、博士の学生のリサーチアシスタントに関して Skype ミーティングをしたりする。結局博士後期課程(1年生)は自由度が高すぎるので、何をするかではなく何をしないかを考えることと、そして(人生でこれほど好きに時間を使える機会は最初で最後かもしれないので)何を勉強するかを決めて1年間は続ける、ということが重要だと思う。D1で勉強した内容がD2やD3での起爆剤になるので、しばらくアウトプットが出なくても焦らずじっくり取り組むといいことがあるのではないかな(と言っても生存者バイアスでしかないかもしれないが)。

お昼はかねてよりの懸案であった論文誌の投稿を済ませる。論文誌はあまり書くモチベーションが湧かないのだが、博士後期課程(に進学予定)の学生はそうも言っていられないので、卒業要件を満たすために計画的に出さないといけない。ちゃんと博士号を取らせる指導力が必要だが、NAIST にいたときの指導教員である松本先生は、論文誌について(というか、あらゆる対外発表に)特にああしなさい、こうしなさいと言うことがなかったので(言うのを見たこともない)、どれくらいの温度感でやればいいのかよく分からない。松本研ではたくさん博士後期課程の学生を置いておけるだけの余力があるのでいいのだが、うちは物理的なスペースとしてもそうではないし、奈良にいるのと比べると生活費も高いので、博士号を取りたい人はちゃんと規定の年限で取れるようにしてあげるのは教員の役割かなとは思っている。

お昼からは進捗報告を聞く。金曜日の進捗報告はだいぶ平常運転に近くなってきた。5月になれば全部平常運転になる予定だが、まだイレギュラーなところも多い。

うちの研究室では受験希望者は基本的に勉強会(進捗報告)に出てもらっているのだが、これは勉強会に出ることで研究室の雰囲気を知ってもらいたいからである。逆にこちらも見学している人の様子は観察していて、勉強会に出てみて、そこでされている議論を聞いて、内容は分からなくても「おもしろそう!」とやる気になる人に来てもらいたいのである。

ちなみに、今のところ、そのように思ってそうだなと見受けられる受験生は、結局もっと研究環境の充実した環境(東大、東工大NAIST、東北大等)に進学していて、それはそれでよいし、むしろそうしてほしい。うちもかなり進んだ研究体験を提供していると思うが、教員や研究員の数がどう考えても違うので、そこで選ぶなら見劣りするのは確実だし、研究室の雰囲気がどうか、というのでマッチングしてもらえればと思っている。