新しい技術に挑戦する姿勢

朝少し出るのが遅れたら電車を一本乗り逃してしまった。一本逃すと20分遅れるので(精神的に)けっこう痛い。駅のホームでも仕事ができるようにすればいいのかもしれないが、そもそも移動中に仕事するというのも微妙で、ずっと悩んでいる。

午前中は受験希望者と面談。いろいろ卒研で手を動かしているようで、研究の話をしたりして盛り上がる。B4 のこの時期で研究の話ができるというのはすごいな〜。(うちの研究室は、研究室に来てから自然言語処理機械学習の勉強を始める人がほとんどなので、なかなか……)

正確に数を数え直したら今年の修士の試験を受けたいという人は合計で10人のようだ。去年は8人見学があったのだが、見学しても出願しなかった人が2人、出願したのに当日欠席した人が1人いて、結局受験したのは5人、うちに進学したのは3人だった(残りの2人は東工大にも受かって東工大に進学した)。そう思うと、今年はなんかやたらと人数が多い印象があったが(博士後期課程に進学したいという問い合わせが多かったせいか?)、蓋を開けてみるとやはり進学してくるのは4人くらいではないか、という気がする。冬季入試もここ2年とも2-3人受験しているが、まあ常識的な範囲内に収まりそう。

昼過ぎは研究会。今日はチュートリアルが多く、以下の2本のチュートリアルを含む4人担当。

  • PageRank の数理
  • 深層学習のツールキット Chainer

PageRank の話の中では「線形代数勉強会」を開催しますというアナウンスがあったり、勉強したいことがあったら勉強会を立ち上げてみんなで勉強する、という文化ができてきたようで、喜ばしい限りである。勉強会、最初は参加するだけかもしれないが、企画・発起人になったほうがはるかに勉強になるし、勉強したいことがあったら周りを巻き込んで勉強する、というスキルを身に付けておくと、自分にとって未知の領域でも開拓していける力になるので、積極的に大学という環境を活用してほしいと思っている。(勉強会スケジュールが過密すぎて、研究室内で開催できる時間が18時以降でないとほとんど空いていないという問題はあるが……)

あと、Chainer は先週リリースのアナウンスが出たばかりなのに、もうチュートリアルをしてくれて、新しい技術に貪欲に挑戦していてすばらしい。技術は流行に従ってすぐに陳腐化するもので、陳腐化するからやらない、という態度もあるだろうが、流行の技術があったら常に果敢に取り入れてみる、という態度もあり、「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」という言葉もあるように、どっちもどっちなら手を出してみてもいいんじゃないかな、と考えている。特に若いうちはリスクを取ってもそんなに致命的ではなく、挑戦して得られるものの期待値も大きいので、迷ったら試してみる、というのでいいのではないかな。(流行りものはやらない、と固く決めている人はそれでいいだろうが)

自分もしばらく深層学習には手を出さないでいたが、遅ればせながら勉強してみるとけっこうおもしろく、少しずつ研究の知見も溜まってきて、あと1年早く始めていたらなぁ、と思わなくもない。国際会議の論文一覧を見ても深層学習が大きく幅を利かせており、基本的な知識は少なくとも知らないと査読もできず、興味があろうとなかろうと、新しい技術は勉強しておきべきなんだな、と思ったりする。(今年はすでに IJCAI と ACL というそれぞれ人工知能自然言語処理のトップカンファレンスの査読をしたが、これからまだ2つ控えている。一応査読する論文数は減らしてもらっているのだが……)