就活をするならやはりNAISTへ

午前中、さすがに最近論文紹介に出なさすぎなので、途中から顔を出す。

  • John DeNero and Jakob Uszkoreit. Inducing Sentence Structure from Parallel Corpora for Reordering. EMNLP 2011.

を紹介してもらう。対訳コーパスを使って統計的機械翻訳の並べ替えのための構文解析器を学習する、という話である。

この論文、よく書けていると思うのだが、結局 ITG (Inversion Transduction Grammar) や BTG (Bracketing Transduciton Grammar) を使って構文木を並べ替えるのとどう違うのかがいまいち分からず。multiword expression のようなものをフレーズとして扱える(そのようにスコアを定義している)、というところは違いそうだが、それ以外はほぼ同じようなことをしているような……(やり方が違うだけだろうか?)。

論文を読む、という行為をどうやるか、というのをちゃんと学生に伝えたいと思うのだが、学生だけで回していてちゃんとできているのか若干不安である。論文の精読は英文読解教室をするのではなく(訳した英文を読み上げるのは最悪の論文紹介)、そこで書かれているアルゴリズムがどういう背景で作られたものか、どのような動作をすると思われるか、というようなことを解説・議論する時間であり、一番大事なのは内容の理解と議論の部分であって、言語が英語で書かれてようが日本語で書かれてようが、アルゴリズムを正しく理解する、というところに最も時間をかけてほしい(理解しようとして理解できないということもあるだろうが、その場合はみんなで議論して少しでも理解の方向に近づければいい)。英語力によっては、全訳せざるをえないこともあるかと思うが、そもそもアルゴリズムが日本語で書かれていれば理解できる、というのは全然正しくないので……。

午後は研究会。学生の担当も1周し、ここからは大学院生によるチュートリアルや研究開発の Tips の共有である。[twitter:@moguranosenshi] くんはサーベイの仕方を解説してくれて、確かに大学院に入ったときこういう話を最初に聞けるとよかったなあ、なんて思ったりする。

[twitter:@ace12358] くんは Chainer のチュートリアルをしてくれる。これのためにわざわざ日本語の単語分割器を書いたそうで、さすがである。Python の、というかプログラムの書き方についてどこかで勉強会をやったほうがいいような気がしているのだが、いつどこでやるといいのか、誰がやるのかが不明(汗)

[twitter:@shin_kan0] くんは就職活動についての体験談とコツを話してくれて、これはうちの研究室の1期生たちはものすごく苦労していたのを見てきたので、このタイミングで共有してくれたのはありがたい。うちは内部進学の場合と外部から来る場合で差がありすぎて、就職を目的に大学院からうちの研究室に来るのは本当にお勧めしない、としか言いようがない。1期生も内部進学の学生と比べて外部進学の学生は就職活動が厳しかったようだが、能力的にどうというようなことではなく、何かよく分からない理由でダメなようなので、原因が分かるまで外部進学の学生はちょっとお勧めしにくいと思っている。

就職活動をしたい人は NAIST に行ったほうがいい、と繰り返しているのだが、嘘でも冗談でも謙遜でもなく本心からそう思うので、受験生はどうか信じてほしい……。